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木の乾燥のこと

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八ヶ岳営業所

アトリエデフで専ら使っている材木は「くんえん乾燥」という中低温乾燥による材料である。宮城のくりこま木材さんの大きな窯の中で、製材によって発生する木の皮や端材を燃やし、その煙でゆっくり水分を抜いていくのです。製材の過程での木くずは全て乾燥のためのエネルギーとなり、その煙は冷却することでモクサク液となりいろいろな用途を生んでいます。自然の資源を最大限に利用しているすばらしい仕組みです。すこし原始的です。

一般的に流通している材木は、高温乾燥といわれる窯で短時間に一気に水分を抜いています。乾燥のためのエネルギーは化石エネルギーや電気によるものです。

家をつくるときに使う材木は、なるべく狂わないか全く狂わないものが理想です。本来そういう木は自然界にないので、集製材やエンジニアウッドと言われような、木を一旦細かくして接着剤で固めなおすといった面倒なことをした材料がここ数十年使われていて、むしろ主流になっています。狂わないので特に造り手である工務店が後でトラブルになりにくいとか、生産が合理的であるとかの経済至上主義の世の中にあっては大変メリットの大きいのが長所?です。

これらの対極にある乾燥技術が天然乾燥、我々は「天カン」と呼んでいます。技術というか、切ったらそのまま自然に乾かすだけのことですが、とても時間がかかります。最低半年、1年かかります。

乾燥が行き届いた材木はアバレや狂いが少なく、後々のトラブルが少ないのは先ほども書いたとおりですが、一気に水分を抜いたものとじっくりゆっくり水分が抜けていったものは、同じ乾燥度のものでもその性質がずいぶん違うものになってしまいます。

うまく言えませんが、一気に水分を抜いてしまった材木
は油も抜けてしまった感じでパサパサになってしまいます。繊維質のセルロースや接着剤のような働きをしているリグニンといった細胞が急激な温度変化により壊れてしまうようです。

毎日木を触っている大工さんはいろいろなことを肌で感じています。弱くなった高温乾燥材はとてもモロく、加工がしずらいそうです。「粘りがない」といった表現をします。

我々の使う「くんえん乾燥材」は、時間も手間もかかる、経済性からとらえると長所が少ない乾燥方法ですが、その強度や質は非常に高いものだと思います。あと煙という炭素の力も見逃せないものがあります。その辺の詳しいことはまた書きます。もしくは宮城の「くりこま木材」さんに行くと、工場見学はもちろん、木の詳しいことも教えてくれますので興味のある方は遊びに行きましょう。希望者が多ければツアーを組みますよ!

一言で「木の家」といっても、木の種類、産地、乾燥方法、流通、薬剤の処理のことなどを調べると見た目ではわからない怪しい部分が露呈してきます。本物の「木の家」は素人には探すことが難しいはずです。我々建築業者でさえ、本物の「無垢の木」を扱う製材業者を探すことが大変なのですから!

100年、200年存在している木造の建物は、余計な技術や便利な流通がなかった時代に建てられたものなので
やはり強くて壊れないのでしょう。粘り強いという言い方がいいかもしれません。建築にかかる時間も長く、木の乾燥という部分で言えば建てながら乾かしていたともいえますからね。それと木を組む技術が乾燥に伴う木のアバレや狂いを吸収してくれていることも見逃せません!先人はすごいのです!!

そんなわけで、木の乾燥のことから家づくりを考えただけでもここには書ききれない奥深い事がたくさんあります。本物の「無垢の木」を今の時代で使おうとすることはとても大変です。木に限らず、余計なことを省くのが簡単ではない時代です。知ってしまったら戻れない、とてもめんどくさいことをやりながら「良い家」をつくろうと若いデフのスタッフはがんばっております。

長野県には山も木もいっぱいあるけど、それを簡単に調達できない理由があります。まずは日本の木を正しく使うことを目指していきたいと思います。これは家を建てる人の協力がないと成しえないとても大変な目標です。
ですから、家を建てたいと計画中の皆様は、どうぞ遠慮なさらずにアトリエデフの家を建ててください。日本の山づくり、森づくり、環境づくりに貢献できて、おまけに自分の家がつくれるという訳ですから。すばらしいですね!

kojima

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