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高気密住宅VSアトリエDEF
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こんにちは。 熱戦が続く北京オリンピックですが、先日の女子カーリング日本代表の試合で途中からロシア代表を応援してしまったほっしーです。 人の心は変わるものです。(何の話だ)
さて、今日のブログはアトリエDEFさんの家の性能のお話。
たまにお客さまから「DEFさんは高気密住宅ですか?」と聞かれることがあります。 そんな時私は「DEFはあまり高気密にはこだわっていません。」とお答えしています。
DEFの建物では、建築時に化学物質を発生させる接着材やコーキング等を使い、材料同士をくっつけたりスキマを埋めたりしていません。 また自然素材の床や壁が湿気を吸ったり吐いたり、匂いを取ってくれたりする「素材の持つ呼吸する力」も建物内での快適な生活に大切だと思っています。
だからと言ってスキマだらけの家で良いと思っている訳ではなく、そもそも腕の良い大工さんの仕事でしっかりと作るので、必然的に建物の気密は高まります。
今日はアトリエDEFの建物の気密性能がどのくらいかを知っていただくために、国内トップの気密性能を持つ住宅メーカーさんの家との「高気密対決!!」をお伝えしたいと思います!(やめといたほうがいいぞ)
ゼッケン番号①【国内最強の高気密住宅代表Hさま邸】(原村)2階建て・延床面積38坪・玄関ホール吹き抜けあり・築12年・庭に誰も使っていないバスケゴールあり(その情報いらん)
とにかく「高気密・高断熱」にこだわっている会社さんで建築しました。(ホントは薪ストーブNGって言われたのに、後で勝手につけたそうです。)
この建物では建築中に「気密測定」を行いました。 建物の気密はC値(隙間相当面積)という数字で表され「壁や床の1m×1mの四角の中に何㎠の穴が開いているか」というのがその数値です。
下の写真がHさま邸建築時の検査の様子です。(アルバムの写真を撮った写真な)
3回目の気密検査の数値はなんと【C値0.3】驚異的な「スキマの無さ」です。 普通はC値2.0以下であれば自慢できる高気密性能だと思います。 だって、その当時Hさまは現場に立ち会って、一生懸命に大工さんと一緒にスキマっぽい所を探して埋めましたもん。(お前事情よく知ってるな)
ちなみにC値いくつから「高気密住宅」と言うか知っていますか?
実はきまりはありません。 だからどのメーカーも「高気密住宅」と言っていいのです。
圧倒的優勝候補のこちらのお宅と、アトリエDEFさんが今回どのように対決するかというと…。 ほっしー審判長がこのような最新の測定器具を用意しました。 名付けて高気密住宅測定器「ぴらぴら君」! 作り方は企業秘密です。(2歳の子でも作れるわ)
ティッシュペーパーはしっとり系ではなく、お買い得のヤツを使っております。(どっちでもいいわ)
先攻【Hさま邸】2階一番奥の寝室の窓を少し開けて、ぴらぴら君をかざしてみます。 写真の通りまだ無風状態。
そして、合図と共に受験勉強で必死の娘さんが、イヤイヤながら1階のキッチンの換気扇スイッチの「強」ボタンを押します。(やらすな) 建物内の空気が換気扇からどんどん排出されていきます。
すると…。急に窓から風が入って来て、ぴらぴら君がこのように大暴れします。
これが高気密住宅です。 密閉された大きな箱(建物)の一か所の穴から空気を出せば、もう一カ所の穴からその分空気が入ってきます。 今回のHさま邸の記録…合計75ぴら!(角度か?) 「これは素晴らしい記録が出ましたね。」(誰だよ?)
建物に隙間がたくさんあると、いたるところから空気が入ってきます。 そうなると窓を開けてぴらぴら君をかざしても、それほどその一か所風は入ってこないということになります。 こんな感じで今回の勝負を行っていきます!
後攻ゼッケン番号②【アトリエDEF代表「八ヶ岳循環の家」】(原村)2階建て・延床面積37坪・通り土間玄関ホールに吹き抜けあり・築12年・漬物だる大×2
Hさま邸とほぼ同じサイズと条件です。
「循環の家」のキッチンは2階なので、そこから一番遠い1階の窓で調べようと思いましたが、写真の通り今は冬なのでたぶん窓を開けると高さの低い1階は2階より「冷気」の進入があるはずなので、Hさま邸と同様2階の窓(換気扇から一番遠くのお風呂の窓)で挑戦しました。(なんか理科的にちゃんと考えてるじゃん)
ついさっきまでココでお客さまとお蕎麦の「もぐもぐタイム」だったな…。ということはさておき。
換気扇「強」スイッチを入れる前の状態がコレ。 そして…。
換気扇をつけるとぴらぴら君がこのような状態に。 循環の家の記録…合計45ぴら!
結構風が入ってきました! ネピアがネピ~~ア~になっております。(何言ってんだ) 予想より低い点数に平野選手のスノーボードハーフパイプ同様「循環の家」としては少し納得はいきませんが、そこはアトリエDEF、いちいち騒ぎません。(少しは気にしろ)
竹に刺したティッシュを手に家中うろうろしているほっしーを、片付け中のおぐっぴーとケロパが怪しげな目で見ております。
今回の対戦ではやはり大方の予想通り「高気密住宅Hさま邸」の勝利となりましたが、「循環の家」もいい戦いをしました。 まあ換気扇「強」の排出量も窓の大きさも数も違うので何とも言えませんが面白い勝負でした。 やっぱりDEFの家の方が窓が多く大きいです。 玄関ドアも木製のオリジナルだし…(負けた言い訳すんな!)
ちなみに、気密測定は建物の構造体が完成し窓が設置された段階で行われます。 完成した建物で測るわけではありません。 あくまで構造体のスキマを測るのが目的です。 その後ご存じの通り完成した建物には換気扇の穴が開けられ、水道下水等の配管も通るのでそういう穴(スキマ)は考慮されません。
また、Hさまのお宅のように高気密住宅に薪ストーブを設置すると、最初は写真の通りストーブ内に向かって空気が入り煙突から排出されますが、換気扇を「強」にしたとたん下の写真のようにストーブから室内に煙が逆流することもあるのでそれが一番怖いです。(こちらのストーブは外気導入型と言って薪ストーブ自体に屋外から吸気口を付けていますが、それでも気密が高いとこのような現象が起こってしまいます。)
また、建物が密閉されているということは「室内の空気が換気されない」ということも意味します。 ですからHさま邸にはこのような大型の換気装置が24時間動いていて建物の換気を行っています。 外からの空気はフィルターを通ってホコリや花粉が取り除かれます。
現在の法律では建物内の空気は2時間に一回換気するように定められています。 これはそもそも建材や接着剤等に含まれるホルムアルデヒド等の化学物質でシックハウス症候群にならないように定められたものです。
アトリエDEFの建物はというと、気密は今回の対決の通りまあまあの実力。 しかし化学物質を発生させる材料を一切使っていない建物なので、各部屋に換気扇や建物自体に大型の換気扇を設置する必要がありません。
また接着剤でビニールクロスを貼る壁と違い、漆喰や土壁とその内側の断熱材「ウッドファイバー」が湿気を吸ったり吐いたり、匂いを取ってくれたりと空気を浄化してくれます。 真冬のHさま邸では窓に結露が毎朝付きますが、循環の家では窓の結露は皆無です。
建物の気密を良くすることはもちろん大切なことだと思います。 でもそれを高めれば高める程快適かと言うとそういうことではないはずです。 テストの点が良ければイイ子かというと、人の良し悪しもそれだけではないはずですよね。(その例えでイイのか?)
まあ、そんな訳で今回は「最強の高気密住宅Hさま邸」に挑戦してみましたが、アトリエDEFの家づくりでも気密(もちろん断熱性能も)をきちんと考え、高い施工技術で確保しようとしていることをご理解いただきたいです。
でも、やっぱりDEFは今後も高気密を必要以上に高めようとはしないのでしょうね。 そもそも私たちの目的は「本当に幸せな暮らしづくり」「日本の山を守る」「未来の子どもたちのための地球を守る」ことなので。
【おまけ】 Hさま邸は、ほっしー設計・施工管理のもと高気密・高断熱にこだわって12年前に建築しました。 とても良い家ですが、今の自分ならどうするかな?