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自分が切った木で家を建てる ~宮城くりこま伐採ツアー~《前編》
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10月の終わり。お打ち合わせ中のスガサマ(仮名)ご家族と一緒に、アトリエDEFの柱を製材していだたいている宮城県栗原市の「株式会社くりこまくんえん」さんの山に行って来ました。
わざわざそんな遠くに何しに? 工場見学・・・?
それは、新しい家の柱に使う木をお施主さま本人が選んで切りに行くためです!!
「そんなの業者に任せておけばいいじゃん」「家の柱の木がどこの木なんてわかんなくてもいいよ」って思う方が普通かと思いますが、本当にそれで良いのでしょうか?
スガサマとアトリエDEFはこう考えます。
「家はその人の暮らしを一緒につくっていくもの」「家族と一緒に育っていくもの」 だから、住む人はこの家がどこの山の木でつくられて、どこの誰がどんな思いでつくったのかまで、全て知っておくべきなのだと。
だってこれから長い年月を一緒に過ごすのに、「何者か」よくわからないのは不安ですよね。
やっぱり、家は簡単に売り買いする「商品」ではないという気がします。
以前ハウスメーカーに勤めていた時は、「良い家を買いましょう」「性能の良い建物ですよ」なんて言って、自分は家を「モノ」としか考えていませんでした。工業製品と同じイメージ。
でも、DEFの家ってモノって感じはしないんですよね。「生きている感じ」「家に意思がある」「大切にしたくなる」なぜかそんなイメージが沸いてきます。
スガサマご家族とDEFはわざわざ遠く宮城まで行きます! そして、わざわざ歩くのも大変は山の斜面を登ります! カスミちゃん(仮名)も一生懸命登ります!
「くりこまくんえん」さんの社員の皆さんは、このためにわざわざ作業をやめ、私達を現場に案内し指導してくれます。
木を切る前の儀式も教えてくれました。 50歳以上の木の命をいただくんですからね。
ご主人さまは初めてチェーンソーを使い何度もやり直しながら、木に切り込みを入れていきます。大型チェーンソーの長さよりも太い直径の杉の木。なかなか切れません。
チェーンソーの歯が木に食い込んだり、動かなくなったり。細い木を切るのと訳が違います。
奥様も参戦! ご主人が切った切れ目にくさびを打ち込んでいきます。
何度も何度もハンマーを振るうって大変ですよ。くさびにもうまく当たらないし。 明日肩が痛そう・・・。
何度も何度も切れ目を入れて、何度も何度もくさびを打ち、やっとの思いで木が倒れていきます。
10m以上もある大きな木がたおれていく時の風を切る音、地面をたたきつけた時の地響きを聞くと胸が熱くなってきます。 思わずみんなで「おお~っ」
この数秒間の映像と音の記憶は一生ご家族の思い出に残るのでしょうね。
切った丸太の切り口にチョークで名前を書きます。だって、これだけの時間と苦労をかけて1本の木を切ったのだから他の人にはやれません。 自分のモノには名前を書きましょう!
それにしてもまっすぐなきれいな杉の木です。この木はスガサマ家の通し柱になる予定。
家族3人力を合わせて切りました!!! 本当にお疲れさまでした。カスミちゃんもいい子でパパとママのことをじっと見つめて応援していたね。
ちなみに、ご主人が手に持っている木のかけらは何だと思いますか?木を切ったことがある人ならわかるんですけどね。思い出の品です。
切った木はこの後「くりこまくんえん」さんの会社に運ばれて製材されます。
アトリエDEFがなぜ「くりこまくんえん」さんに家の柱をお願いしているかと言うと、「植林~伐採~製材~くんえん防虫処理~低温乾燥~加工」をしてくれる「一貫事業体制」の会社だからです。一本の柱の完成が一社で完結します。
特に化学物質を一切使わないDEFの家に「くんえん処理」は欠かせない過程となります。
だいたい柱は「伐採業者」が切って「原木市場」で売られ、「製材業者」に渡りその後「防虫処理業者」「加工業者」を経て「材木市場」で売られ・・・。様々な会社を渡り歩きます。
この柱はどこの誰がどう作ったの? そもそもコレ最初に切った柱なの・・・? 訳が分からなくなるものです。 1本の商品だと思って、誰も責任を取る気がない?柱に対する思いがない・・・? ちょっと極端かもしれませんが。
最近「トレーサビリ…何とか」って聞いたことありませんか?
そういうことです。(どういうことだよ?)
あっ、そうそう。おぐっぴーも頑張って木を切ってました。 なんかカッコが虫っぽい。
そんな、山と木にはひときわ熱い思いのある「くりこまくんえん」さんのことをアトリエDEFは本当に信頼できるパートナーとしてお付き合いし、柱をお願いしているのです。
ご興味があればぜひ「くりこまくんえん」さんのHPもご覧になって下さい。http://www.kurikomakunen.jp/index.html#top
今回の伐採の様子がHPやフェイスブックに載せてありました。(先にやられた!)
スガサマご一家。朝から新幹線で宮城までお越しいただき、一日本当にお疲れさまでした!
この家族3人の姿イイですね。
本日の夜はスガサマご家族とDEF社員も「くりこまくんえん」さん所有の「お屋敷」にてご宿泊。 最近は常に「少しの距離」が必要となるので、お互い工夫してのご宿泊です。
この夜スガサマは、「今の日本の山の状況」や「1本の柱を作る苦労」などを(熱すぎる感のある)2人の社長から楽しく(ちょっとクドく)聞くことになるのでした・・・。
そして、この後2つの会社の社長と社員達はスガサマから家づくりに対する熱い思いを聞き、目の前のお客さまに「建ててよかった!」と絶対に言ってもらおうと心に誓うのでした。
ちなみにほっしーはと言うと・・・。
宮城県の美味しい食事とお酒をちゃっかりいただき、元自衛隊員の社員からほふく前進を夜中まで教わりました。(あんた何しに来たの)
次週《後編》2日目の工場での製材の様子をお伝えします。