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バウビオロギー、快適な住まいについて
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さてさて、いきなりちょっと聞き慣れない言葉でしょうか。
先日のブログでも紹介しましたが、現代版土壁の家を
一緒に研究している前橋工科大学の石川先生に、
てくてく原画展にお越し頂いて、このバウビオロギーについて
お話しをしていただきました。
バウビオロギー=直訳すると建築生物学。
人間にとって快適な空間、という言葉にすると簡単ですが、
それって実際どういう空間なんだろう、ということから
建築を捉える考え方です。
あまりに経済効率一辺倒になりすぎたことに対する
別の観点からの考え方で・・・・
という難しい話しをお願いしてしまいました(・・;)
さてさてどうだったかというと・・・
まずは鳥の巣のお話しから。
例えばつばめは午前中しか巣作りをしない。
それは、午前中は材料となる土が適度に湿り気を帯びていて作業しやすく、
午後は乾燥に充てるから。
オーストラリアには卵を自分自身ではなく巣そのものの
温度を調整して温める鳥がいる。
平飼いでない鶏は巣を作れない、皆と一緒に押し込められている
ストレスで鳥インフルエンザなどの症状が出てしまっている・・・
鳥はみな工夫して、苦労して、いろいろな巣を作る。
それはなぜか?
大切な卵を、雛たちを守るため。
鳥は人間よりも敏感で、自然に寄り添っているけど、
人間だって同じように環境からの影響を受けているはず。
でも家をプロダクツとしてではなく、人の巣、として
大切に考えているだろうか・・・
なるほど。
今土壁の家に住んでいる自分にとって、すごく腑に落ちるお話しでした。
自分は土壁の家に住むことができました。
調湿効果、保温保冷効果にもすごく恩恵を受けていますが、
それだけでない快適さが確かにあります。
土も木も剥き出しで、その物の本質が表に出ています。
合板などにビニールクロスを貼ったり、表面をウレタンで
コーティングした材料で構成された建てものとはそこが大きく異なっています。
見た目にも肌触りにも素材そのものを感じることができますし、
例えば床や柱に手を置いて目をつぶるとそのどっしりした質感を
感じとれます。
それがすごく自分にとって心地よかったんだな〜と
先生のお話しを伺って再認識しました。
なかなかこういう、数値にも表れる言葉にもしにくい価値を
伝えるのは難しいなぁと感じますが、そこを伝えることが
僕らの役目なんだな、と感じた講演会でした。
みなさんに分かりやすく実感していただく機会をこれからも
考えていきたいと思います (^▽^)/
ハヤシ