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【大町市での家づくり①】 多雪地域における屋根の設計ポイント

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といとい
上田本社

長野県北西部にあり風光明媚な山岳都市で知られる大町市。
移住先としても人気がありますが県内でも比較的雪の多い場所でもあります。

そんな大町市の美麻地区であらたに家づくりが始まりました。
アルプスの雪景色がとても綺麗な山間の集落。
山と畑に囲まれた、このとても大きな古民家を建て替えます。

多雪地域での設計では押さえておかないといけないポイントが多々ありますが、特に屋根は最重要。屋根の傾斜や向きによって日々の暮らしに重大な支障が出てしまうこともあるため注意が必要です。

 

まずは『屋根に登って雪降ろし…』なんてことにならないよう、積もった雪がなるべく自然に落ちるように考えます。

そのために必要なのが傾斜(勾配)

当たり前ですが屋根の傾斜がきつくなれば雪は落ちやすくなります。
既存の古民家も恐ろしく急勾配。むしろメンテナンスをどうやるのか心配になるくらいです。

一般的には3/10以上の勾配が必要といわれていますが、実際はもう少し急にしないと屋根に雪が残りやすくなってしまいます。大町市よりも雪の多い豪雪地域の場合は更に注意が必要となります。

 

そして屋根の向き

せっかく雪が自然に落ちるよう工夫しても、頭上に落ちてきたら大変!
多雪地域では落ちてきた雪による事故が毎年起きています。

そういった事故が起きないよう玄関や勝手口、車庫の前など人や車の動線に落雪しないように考えます。つまり屋根の向きをその動線に対し90度振るように設計します。

 

また屋根から落ちた後の雪がどうなるのか考えておくことも重要です。
既存の古民家では先日の大雪によって、家の脇にちょっとした山ができていました。

このように屋根から落ちた雪はその衝撃で固まって溶けにくくなります。1回の雪の量が少なくても落ちた雪が溶けずに何層にも重なっていくと、やがて自立できずに壁にもたれ掛かってくる事も。

その壁に窓があれば雪の重さでガラスが破損してしまいますし、給湯器があれば排気口を塞ぎ不完全燃焼を起こす可能性があります。

屋根面積が大きければ落ちてくる雪の量もそのぶん増え、このようなリスクは一層高まりますので、大きな屋根の軒先側にある壁には特に対策が必要です。

 

そんなポイントを押さえつつ、大町の家の設計はただいま進行中
この絶景をどのように取り込んでいこうかな…楽しみです。

といとい

 

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