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放置竹林の現状とは? 〜静かなる緑の侵略者〜
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かつては生活の一部として利用されてきた竹林。しかし今、日本各地で「放置竹林」と呼ばれる問題が深刻化しています。あなたの街の裏山にも、もしかすると静かに広がる緑の脅威が忍び寄っているかもしれません。
放置竹林とは?
「放置竹林」とは、適切な手入れがされないまま放置された竹林のことを指します。かつてはタケノコの採取や建材、日用品の材料として人々に活用されてきた竹。しかし、生活様式の変化や人口減少、高齢化などの影響で竹林を管理する人が減少し、手入れが行き届かなくなっています。
何が問題なの?
竹の成長は非常に早く、地下茎を伸ばして次々に新たな竹を生やします。その勢いは驚異的で、放置されると隣接する森林や農地、時には民家の敷地にまで侵入してしまうことも。これにより、
- 在来種の樹木や植物の生育を妨げる
- 生物多様性の喪失
- 農作物への影響
- 土砂災害リスクの増大
といった問題が生じています。また、手入れされないことで景観も悪化し、地域の観光資源としての価値も下がってしまうのです。
全国に広がる放置竹林
農林水産省の報告によれば、全国の竹林面積は約15万ヘクタール。そのうちの約4割が放置状態にあるとされており、特に九州、四国、中国地方での広がりが顕著です。山間部だけでなく都市近郊でも放置竹林が問題となっており、私たちの生活に意外と近い存在となっています。
解決のカギは「つながり」と「活用」
放置竹林対策には、地域住民、行政、NPO、企業などの連携が不可欠です。竹の伐採や再利用を目的としたイベントやワークショップ、教育活動の実施などが行われている地域もあります。また、竹はバイオマス資源としての可能性もあり、燃料や建材、アート作品への利用など新たな価値創出にもつながります。
最後に
一見、美しい緑に見える竹林ですが、放置されたままでは地域に大きな影響を及ぼします。自然と共生するためには、人の手による適切な管理が必要です。放置竹林の問題は、未来の風景や暮らしを守るための私たち一人ひとりの課題でもあります。まずは身近な竹林に目を向けてみませんか?