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アトリエDEF通信

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漆喰ができるまでを見学に、栃木へ

アトリエDEF
八ヶ岳営業所

こんにちは。
昔の人は、初めて家に招かれた時
「かべ」「ふすま」「たたみ」の順に家を褒めるとよいとされていたそうです。

アトリエデフの「かべ」に欠かせない漆喰(しっくい)。
安政元年から、つくり続けている
村樫石灰工業さんにお邪魔してきました。
栃木県にある、村樫石灰工業さんは「塩焼き」という製法で
「漆喰」をつくっている日本でも数少ない会社です。

入口には、大きな生灰石。こちらは「漆喰」の主原料になるものです。
その、石灰石は近くの山から採掘します。
すり鉢状に削っていき、後100年はこの山から採掘出来るそうです。
採掘した後は、木を植林して山に戻していくそうです。
安政元年から掘り続けてこちらの山が二つ目の山。

遠くでみると小さなダンプカーも、こんなに大きいです。
(人とタイヤが同じ高さっ!)

握りこぶしの大きさのものを漆喰として使って行くそうです。

 

今回は、お客さまも一緒に工場見学。
冒頭でお話しした、「塩焼き」を見学させていただきました。

「塩焼き」は、徳利型の土中炉に石灰石とコークスという石炭を蒸し焼きにして炭素部分だけを残した燃料と一緒に混ぜ、塩を撒いて3日〜5日かけてじっくりゆっくりと焼成する製法です。生産効率が低いことから今では、この製法を使っているところはほとんどありません。
それでも、「塩焼き」にこだわる理由は3つ
1,割れにくい漆喰になる。
2,白度の高い漆喰が得られる。
3,過焼による焼き締まりが防げる。

いいものをつくるのには、
時間と手前は大切です。

 

漆喰は、
・天然鉱物資源である「石灰」
・天然海藻などから作られる「のり」
・麻などの植物繊維を刻んだ「スサ」
の天然素材100%の建築素材です。

「石灰」は、日本で唯一自給可能な鉱物資源。
太古の海中でサンゴ虫類など海棲生物が堆積・化石化したものが
長い時間をかけて大陸まで運ばれて隆起した、
海からの贈りものです。
楕円形の白く淡いものがありますが、古生代の有孔虫です。
本当に海からやってきたのを実感します。
こちらの生石灰を「塩焼き」すると、
真っ白な消石灰になります。
チョークや学校の運動場でも使っている粉が消石灰の粉です。
この石に水をかけると…シュワワワワ…と一瞬で粉状に!
その温度は900度以上 !!
化学ですっ!
お菓子などに小袋で入っている乾燥剤に
石灰乾燥剤というものもあります。
そこには、「水に濡らさないで」。と書いてありますが、
この消石灰が入っているので、水に濡らすと
熱くなってしまうため、そのような記載があるそうです。

よく、「漆喰」と「珪藻土」の違いを聞かれることがあります。
「漆喰」は、太古の海中でサンゴ虫類など海棲生物が堆積・化石化した鉱物。
「珪藻土」は、海や湖に生息していたプランクトンの死骸が堆積して土のようになっもの。

どちらとも、天然の素材。呼吸しているので”調湿・消臭”の効果があり、
四季を通して心地よい湿度で暮らすことができます。
「漆喰」の主原料消石灰は、強アルカリ性のため”抗菌”作用もあります。
「珪藻土」は、無数の穴が開いていて、吸放湿性能は「漆喰」より「珪藻土」の方が
高いと言われています。また、断熱性能や耐火性があり、
古より珪藻土を削りだして七輪としてよく使用されていました。
どちらも個々によい素材です。

なぜアトリエデフが「漆喰」を使っているのかというと、
自ら固まる力が「漆喰」にはあるからです。
「漆喰」は空気中の二酸化炭素と反応して固まっていくのに対して、
「珪藻土」そのものは乾燥してもポロポロと崩れてしまいます。
そのため、石灰やセメントや粘土、合成樹脂等を添加する事により
硬めて壁として使えるようになります。

余計なものを足さなくていい「漆喰」を塗るためには
熟練した左官屋さんの技術がとても大切です。

お話を聞いていて感動したのは「漆喰」には、
”自浄作用”というものがあり、
年月をかけて自ら白く戻ろうとする作用があるそうです。
なので基本的に塗り替えなどの大きなメンテナンスは必要ないそう。

もし、スイッチ周りなど手垢が気になる時は、
(こちらですと、左下の辺りです。)

消しゴムでケシケシ。
意外と綺麗になります。

現在、村樫さんでは、少しモダンな漆喰の仕上げに挑戦中。
昔ながらの光沢のある漆喰も素敵ですが、
漆喰の仕上げが広がると、お部屋の雰囲気も随分と変わりそうです。

普段見ることのできないことに触れられて
とても楽しい見学会でした。
今後も、お客さまと一緒に見に行くツアーも計画中です。

ありがとうございました。

 

 

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