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八ヶ岳の風~作り手を訪ねて【松本箒篇】
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本日より突然、始めました!!
「よっし~の作り手を訪ねて」シリ~~ズ 😆
第1回の今回は、江戸時代より続く伝統工芸「松本箒(ほうき)」
の担い手、米澤ほうき工房さんをお訪ねました◎
ご自宅の隣にある、工房。1階が材料となる「ほうきもろこし」の貯蔵、
2階が製作の場になっているのだ。大小色んなほうきがかかっている。
循環の家で、毎朝必ず使う、ほうき。
毎日の暮らしを整える、とてもたいせつな道具。
どんな方が、どんな風に作ってくださるのか、
それを知ることは、なにか喜びにつながる気がして、
工房に伺うことにしました。
ほうきの材料となる「ホウキモロコシ」。束ねて乾かされていました。
昔は全国各地で作られていた箒。松本箒は、松本市の野溝という
ところで、農閑期の副業としてホウキモロコシを育て、多い時
では150軒ほどの農家さん(作り手さん)がいたそうです。
乾燥させたホウキモロコシを、畳糸で束ねる、3代目米澤資修(もとなお)さん。
畳がフローリングに代わり、絨毯やカーペット、掃除機の広がりで
ほうき需要が減少。今、松本箒の作り手は片手で数える程だそうです…
急激な高齢化が進む中、米澤さんのような若い担い手はかなり貴重な
存在のようです。
木槌のようなもので、たたく。台座の木はその力ですり減っている!
電力は一切使わない。
接合に接着剤も金具も使わない。
ホウキモロコシと糸。その2つをほんとうに丁寧に
編み上げて、束ねていました。
とても、とても、美しい手仕事。ぼ~と見つめてしまう。。。
この手仕事の美しさ。もうそれだけで、魅力が溢れてますが
米澤ほうき工房さんの、さらなる魅力が、ここにありました。
工房の窓から見える、ホウキモロコシ畑。
何を隠そう、米澤さん一家は、箒の材料となる、ホウキモロコシを
つくる農家さんでもあったのです!
昔は、材料をつくる農家と作家の分業が成り立っていたという、
松本箒事情。どんどんその担い手が減り、このままでは箒を作れなく
なってしまう…そんな危機感から、10年前から農家と作家を両方
やっていくことにしたそうです!
これがホウキモロコシ!モロコシのように、葉っぱをむいて
上のふさふさしている所の実をしごいてタネを落とす。
晴れたら、畑。
雨が降ったら、工房。
自然の豊かさと厳しさを知っているからこそ、
そこから生まれるものへの愛情が深まる。
さらに美しいものづくりへと、本気になる。
身近なものから作る。という当たり前を繋ぐため、
そして、松本箒ならではの柔らかさを継承するためにも、
畑仕事は譲れないそう。
お母さん。米澤ほうき工房は、お父さんとお母さん、そして息子の資修さんの3名で
営んでいます。畑はお母さんがリーダー。
今ホームセンターなどで出回っている箒のほとんどは、
中国等から輸入されたホウキモロコシだそうです。
お客様から、そういうものは硬くてすぐに折れちゃう…
という話を聞き、実際に自分たちでも使ってみているそう。
左 外国製(1年前に購入)
右 米澤ほうき創業者のおじいちゃんの作品(半世紀前に製作)
私も実際に手に取って使ってみましたが、全然違う!!
半世紀前から使い続けているというおじいちゃんの箒は
飴色に変化し、その柔らかさは現役でした。
工房で、あれこれお話を伺いながら、過ごすこと数時間。
とても美しい箒を作っていただきました。
自然の恵みと米澤さん一家の手しごとの結晶。
名前をつけよう。その名は、やはり、米澤さん。
お話を聞いていて、DEFの土壁も同じだな、と思いました。
DEFでは、土壁に塗る土の自社生産を始めています。
誰かがやらないと、繋がらないから。
本当に良いと思うものを、これからも作っていきたいから。
触れているだけで、心が満たされる、
自然と人が紡ぐ、美しいものづくり。
ぜひ循環の家で、手に取って使ってみてください。
yosssy