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アトリエDEF通信

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2010年1月の記事一覧

アトリエDEFの家5 羊毛断熱材

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アトリエDEF
八ヶ岳営業所

今日は断熱材について書きます。
家の断熱材はグラスウールなどを代表として今ではいろいろな種類のものが存在します。
アトリエDEFで採用しているのは、羊毛断熱材のウールブレスとスギの皮からできる樹皮断熱材のフォレストボードの2種類です。
羊毛は家の中側の柱間や床の根太間に充填し、フォレストボードは外部側に家を包むように施工します。
床、壁、天井全てを断熱材で包み込みます。
DSCF6563.JPG
壁の断熱材施工状況です。隙間なくしっかり充填します。
DSCF9064.JPG
床の断熱材施工状況です。壁側は断熱材を施工していない状況ですが、茶色く見える部分が外側に貼った樹皮断熱材です。
当社の断熱材の選択基準は、断熱材自体の性能、素材の安全性、施工のしやすさ、調湿性能(湿気を吸ったり放出したりできるもの)などです。
羊毛断熱材は、すでに10年以上使い続けてきて、DEFの歴史とともに存在するものです。羊の毛の断熱材なんて非常識、ということで採用当時我社の社長はだいぶ苦労をしたようです。私がDEFに入る前のことです。
さて、羊毛断熱材の特徴です。(数値的なこと、詳細な説明はウールブレスのHPをご覧ください。http://www.itnjapan.com/woolbreath/index.html)
まず、持続可能な自然素材であるということ。羊が世の中に存在する限り、毛が伸び続ける限り、何回も採取?出来ます。ニュージーランドの羊の毛です。
素材そのものが製品になるので製造のエネルギーが極めて少ない。
そして化学物質などの含有がないので施工後、室内にそういったものの揮発がないためとても安全性の高い断熱材といえます。もっと言うとそういった揮発物質の吸着効果もあります。
ウールなので土に還ります。
難燃性が高いので炎を出して燃えません。(自分の毛を焼いてみるとわかります。)
そしてこれが一番の特徴といえますが、調湿作用が高いということです。今の家は断熱も気密も良くなって性能が高くなってきている反面、結露という問題が常に付きまといます。よくガラスに結露の結果の水滴がびっしりついているのを皆さんもイメージできるかと思いますが、これは表に出てくる結露なのでふき取れば何とかなります。問題は断熱材が充填されている壁の中側にあります。もしガラス面についている水滴が、壁の中にも発生したらどうでしょう?考えただけでゾッとしますよね! 現実には、断熱材の素材と他の素材との組み合わせ、その造りかた次第では壁内にたくさんの水分が発生し、それが柱などの家を支える重要な部分にダメージを与えます。木が腐ってしまうという意味です。家の寿命が20年、30年なんていうことは十分ありえるわけです。私も実際そういう物件を目の当たりにしショックを受けました。湿度の高い夏に限らず、家の中と外との温度差が激しい冬場も要注意です。羊毛は湿度が高いと溜め込み、乾燥している時は吐き出す作用をしてくれますし、水をはじく性質を持っていますので、これが断熱材として壁内にあったら安心ですね。こんな実例もあるそうです。http://www.itnjapan.com/news/0408shinken/index.html
それとこれは断熱材の選択の際にあまり語られないことですが、施工性が非常に良いということです。それは、隙間なく充填でき、細かい隙間にもちぎって充填することが可能という利点です。羊毛断熱材は若干の伸縮性があるので、どんな形にも合わせることができ、サッシ周りなどのわずかな隙間にもへらで押し込んであげることが出来ます。板状の断熱材を隙間のカタチにきって充填することは非常に大変で、どんなに腕の良い職人さんでもやりきれないでしょう。壁を貼ってしまえばわからない訳ですから、そういうところは見られないうちにサッサと仕上げてしまうはずです。グラスウールなどは、そもそもガラス繊維ですから、施工する職人さんにとっては非常に嫌な材料です。ちくちくして嫌な材料は、これもサッサとやっつけてしまいたくなるはずで、いい加減な仕事になる可能性が高いといえます。断熱は、断熱材自体の断熱性能もさることながら、その効果を発揮するためには、隙間のないその施工技術に大きな期待が寄せられることは意外と見落としがちになります。
その点、我社の断熱材はウールですので、職人さんも最高に幸せということになります。ウール断熱材での食後の昼寝を禁止しているくらいです。実際そうしたくなるのは事実ですが・・・。
羊毛断熱材のメリットはたくさんありますが、湿気を調整してくれる効果は本当にすばらしいと感じています。また、無垢の木、左官の仕上げという、全てが調湿出来るの素材との組み合わせは間違いなく、住まい手の健康や家の寿命という部分に寄与するものと考えています。
数十年前はまだ日本の建築は土壁でした。断熱材というものは無く、そういう考え方も無かったと思います。夏の湿気がとにかく家にダメージを与えるので、夏は涼しいけど冬は寒いというのがどうしようもない日本建築のつくり方だったと思います。いつからか技術が進化し、家を断熱するということが当たり前になり、今では外断熱か内断熱かという論議が盛んになり、あまりにも断熱と気密にこだわる結果、住む人の健康と家の寿命が犠牲になってしまいました。
夏涼しく、冬暖かい 家。
贅沢な要求です。
要求する側とそれに応えようとする側 少し疲れます。
個人的な意見はさて置いて、世の中にはいろいろな断熱材が存在しますが、断熱性能、施工性、安全性、環境などを考えると、当社では羊毛断熱材がいいんじゃないかということで使っています。
素材の性能に甘えることなく、きちんとした施工を心がけていきたいと思います。
樹皮断熱材についてはまた今度!
kojima
 

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