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アトリエDEF通信

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アトリエDEFの断熱材「シュタイコゼル」

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ほっしー
八ヶ岳営業所

今回はアトリエDEFの建物で使用している断熱材についてご紹介しようと思います。

現在アトリエDEFでは、ドイツのシュタイコ社さんが生産している「シュタイコゼル」という木繊維断熱材を使っています。

シュタイコ社さんのホームページ:https://mokudannetsu.com/

シュタイコさんの木繊維断熱材は写真のように、原料となるトウヒと呼ばれるマツ科の針葉樹を細かな繊維状にしたモノで、固めたボード状の断熱材タイプ「シュタイコフレックス」と、壁の隙間にノズルから吹き込む充填断熱材タイプ「シュタイコゼル」があります。

アトリエDEFでは、壁内部に吹き込んで入れる充填断熱タイプの「シュタイコゼル」を使っています。(写真はシュタイコ社さんのホームページより引用)

現場ではこんな感じでシュタイコゼルを壁の中に入れていきます。 木繊維は長くて軽いので、壁の中でフワフワのまま定着して下に沈むことはありません。

下の2枚目の写真が実際のアトリエDEFの現場写真。 柱と柱の間に張った白い不織布がちょっと盛り上がる位たっぷりシュタイコゼルを入れています。 厚みは四寸角柱の幅の12㎝になります。

天井は標準で20㎝の厚さで天井裏に敷き詰めています。 もちろんこれで2025年4月からの断熱性能義務化を十分に上回る断熱性能となっています。

この断熱材、調べれば調べるほどとっても素晴らしい断熱材なんです! 以下、私からおおまかな特徴をご説明したいと思います。

 

①断熱性能について

下の表がホームページに載っているシュタイコゼルの断熱性能の表です。

「熱伝導率」とは、要するに数字が小さいほど熱を通さないというもので、今の日本ではこちらの数字でよく断熱材の性能を比較していますね。

【冬の外の空気の寒さを家の中に伝えない】【部屋の空気の暖かさを外に逃がさない】性能、と言い換えてもいいと思います。 そうするとシュタイコの断熱材は他の断熱材と数字的には同じ、あるいは若干劣るかなという感じです。

しかし、実際に大事なのは隣の「熱容量」の数字。

「熱容量」とは、数字が大きいほどその断熱材は【温まりにくく冷めにくい】いうもの。 【熱を蓄える能力が高い】とも言い換えられます。

 

今現在、世界的な大問題は「地球温暖化」です。 日本の夏の暑さもここ数年で異常なほどになってきました。

夏の暑さの要因としてあげられるのは太陽光による輻射熱です。 ビルや道路のアスファルトや家の屋根が、熱したフライパンのようになる事を皆さんは肌で感じているかと思います。

下のグラフで見ると、シュタイコゼルは日中太陽光で照らされて気温が上昇しても、そのモノの「表面の熱」が室内に伝わるのが非常に遅くなります。 まさにこれからの夏の暑さを防ぐ断熱材として他の断熱材にない性能があるのです。

そして、ぜひ思い出してください。 私たちアトリエDEFの建物の特徴を。

私たちの建物は国産の木材を使った太い柱や梁・土壁等の自然素材を使っており、その材料自体が薪ストーブ等の熱を蓄えて建物躯体自体からのさらなる輻射熱で冬の暖かい室内空間を作っています。

ですから、薪ストーブ等の「モノを表面から温める輻射熱」の暖房器具で室内を温める家では、シュタイコゼルのような「熱容量」の大きな断熱材の方が相性が良いのです!

また、夏の日は前の晩の涼しさを建物が「蓄冷」してくれていて、それをシュタイコゼルがお昼になってもその涼しさを残してくれているんです。

だから、アトリエDEFの「蓄熱・築冷をする家」には同じく自然由来の「蓄熱・築冷をする断熱材」でないとダメなんですね。

エアコンなどの暖房で「空気を暖めたい」とお考えであれば、「高気密住宅」で「熱伝導率」の低い他の断熱材を組み合わせた方が相性が良いと言えるのかもしれません。

 

②調湿性能

木繊維なので、夏は湿気を断熱材が吸って、乾燥した日はある程度の湿気を放出してくれます。 日本の夏は湿度が高くものすごい不快感を伴った暑さとなります。 少しでも湿度が下がってカラっとなれば、同じ気温でも快適さは段違いです。

また冬の室内では窓に結露が付く前に、建物と断熱材が湿気を吸収してくれればそれも抑えられます。

もうお分かりかと思いますが、木繊維断熱材シュタイコの周りの柱や壁は、同じく調湿性能のある自然素材でなければなりません。 石膏ボードの上にボンドでビニールクロス貼る家にシュタイコを入れても全く意味がないのはよくお分かりかと思います。部屋の湿気対策!じめじめに負けない快適な空間づくり ...

 

③防音性・防火性能

繊維質の断熱材には防音性能があります。 外からの車の音やご近所の生活音、屋根に落ちる雨音などもしっかりと防いでくれます。

また、木は燃えやすいという印象がありますが、火が付いた際には表面に炭化層が形成されるので、燃え尽きる時間がかなりかかります。 実際にYouTubeで説明されている動画がありますので参考にご覧下さい。

 

④これからの地球環境のために

現在の日本の住宅建築では主にグラスウールなどの無機質系断熱材が多く、先ほどご説明した「熱伝導率」を上げようとすると、より数字の高いウレタンフォーム等の発泡系の断熱材を使う住宅メーカーが増えてきました。

ご存じの通りこれらの断熱材の生産には、石油などの化石燃料を使用し多くの二酸化炭素を排出しています。

「地球環境のための省エネ住宅」を謳い文句に、建物の断熱性能を上げることを国も推奨していますが、その省エネの建物建てるがために、使う材料の生産で地球環境を破壊している事を皆さんもよくご理解いただきたいと思います。

やはり自然を守ることは、自然由来の素材を使うことでしかできないのかもしれません。

皆で地球環境を守ろう! アースデイの動画素材 集をお届けします

 

アトリエDEFの使っている断熱材「シュタイコゼル」については、まだまだご紹介したいことはあるのですが、後はぜひ皆さまもシュタイコ社さんのホームページをご覧になって下さい。

また、YouTubeではある工務店の社長さんが、ドイツのシュタイコ社さんの断熱材の展示会を紹介している動画があります。 前半7分くらいまでシュタイコゼルの印象を忖度ない物言いで説明してくれていますので、ぜひこちらの動画も参考にご覧ください。

以上、ほっしーよりアトリエDEFの使っている断熱材「シュタイコゼル」のご紹介でした。

 

 

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