kanto
手刻み見学。
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早いもので、もうすぐ年末。 11月末が近づいてから急に気温が下がり体調を崩されている方も多そうです。 我が家は築55年のオンボロ貸家なので、窓からの冷気をひしひしと感じるこの頃です。
先日、高崎市で地鎮祭をされたY様ご家族(→地鎮祭の様子のブログ) と一緒に現在大工さんが上棟に向け加工場にて木材を加工してくれている現場の見学に 行ってきました!! この現場の棟梁はズゴーラ・アダムさん。カナダ人の大工さんです。 DEFでのイベントなどでも、大工の手刻みについてお話しいただいたりしています。 今日はアダムさんに手刻みの様子や、方法などを加工している現場を見せてもらいました。
まずは、墨付けの作業について。 DEFでは、在来工法で家を作っています。 在来工法とは日本の伝統的な木造建築の工法で、柱・梁など軸になる木組みで建物を支え つくっていく作り方です。 さらに大工さんの手刻みで建てている住宅となると、在来工法の中で1~2割程度しかないのが現状です。 ほとんどの木造の建物はプレカットと言って、工場でこの刻みの作業がされる形式のものとなっています。 プレカットにも良い点・悪い点があると思います。もちろんその逆もあると思います。 ただ、やはり集成材などのように接着剤でバリバリに固めた木ならともかく、 無垢材を使うとなると、やはり一本一本木の性質は違い、それを見極める目というものは とても大事な要素になるなぁと、この日アダムさんの話を聞いてあらためて思いました。 話が少し飛びましたが、墨付けについて。 まず、加工場に材木屋さんから木が運ばれてきます。 このままでは、あたりまえですが木は組めません。 木の端部に仕口、ホゾ、継手等をつくりパズルを組む事ができるようにします。 そのために一カ所一カ所、ホゾなどで削りとる部分に印をつけていくのが 墨付けという作業になります。 それが終わったら、その墨付けをした部分に鋸(あるいは丸鋸)を入れ削り取りやすくします。 その後、ノミを使い丁寧に削り取っていきます。 この時、アダムさんが話してくれたことは、日本で使われているノミや鉋、ノコギリなどは さっきの木一本一本の癖を見極め、それに対応できるように作られているとの事でした。 このときは、蟻掛けをつくってくれました。 この蟻掛けをつくってくれるのに、話ながらでしたが、一時間弱。 これが家一軒となると数十カ所。それ以外にも仕口、ホゾなどを合わせると作業カ所は 数百カ所にはなると思います。 大工道具が発達してきているとはいえ、途方もない作業量です。 ただ、刻みをしながら話してくれているアダムさんは本当に楽しそうに、木の癖を見ながら 作業をされていました。 この墨付け~刻みの作業がだいたい一か月前後かかり、その後、組み立てていく棟上げという 作業になっていきます。 その様子はまたブログであげていきたいと思います。 まる