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寒さ対策より大事なこと② ~移住のおススメ 其の参~
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先日、12年前に原村に新築されて移住してきたオーナーさまのお宅に、これから移住をお考えのお客さまと一緒に訪問してきた時のことです。
ご主人手作りのウッドデッキ上のサンルームからはバラがきれいなお庭が見え、雨の日でも心が和む風景が広がっていました。
その時に奥様が面白いことを言っていました。
「冬、薪ストーブの前に置いたレンガや石を袋にくるんで、寝る時に足元に置いておくと朝までぽっかぽかで気持ちいいのよ」
よくレストランで分厚い鉄や石みたいなお皿にハンバーグがのってきますが、いつまでも熱くて料理が冷めません。ティファールの重たいお鍋やダッチオーブン・土鍋などでも同じことが言えます。
土でできたものや石・レンガ・コンクリートなどは一度温めるとその熱がゆっくりゆっくり時間をかけて放出され、いつまでも温度が下がりません。最近TVで「石垣イチゴ」という栽培方法を知りました。昼間の日光で石垣が暖かくなり寒い季節や夜でもイチゴが育つそうです。
またそれらの材料は、逆に冷凍庫でキンキンに冷やすと、いつまでたっても冷たいままなんです。
今の家は壁の中に「断熱材」を入れて、室内の熱を逃がさないようにしています。断熱材を壁の中と外に合わせて19㎝も入れているスゴイ断熱性能の住宅メーカーもありますね。
ちなみに皆さんは冬にこんな経験はないですか?
エアコンやファンヒーターを26℃以上に設定して、温度計の針もそう指しているのに、なぜか暖かく感じない…と。
冬、建物の壁際や窓際に立った時にゾクッとした経験はおありかと思います。また、スリッパを履かないで冷たい床に立てば、上半身は暑くても全く快適ではありませんね。
それともう一つ気になることは、前回の「時間で発生する寒暖差」です。
壁に断熱材がきちんと入っている家でも、寝る前に暖房を消せばゆっくり室温が下がっていき、朝目が覚めた時には寒さを感じてしまいます。24時間暖房をつけっぱなしにしておけば確かに暖かく寒暖差は気にならなくなりますが、電気代や灯油代は気になります。
そこで室内を「蓄熱」させることをおススメします。
どうするかというと、一つは「薪ストーブのような輻射熱を発生する暖房をつけること」そして、「蓄熱しやすい壁や床・天井を作ること」です。
壁は熱をためやすい土壁や石の材料・木材もいいですね。薪ストーブを置けば大抵そこの床は土間や石材。そして薪ストーブの強烈な輻射熱によって床や壁・天井全てが温まり、それが朝までゆっくりゆっくり暖かさを放出してくれます。もちろん空気も暖かくなって、吹き抜けがあれば2階の寝室は朝までポカポカです。
そう、これで夜と朝の寒暖差はなくなります。そして、建物全体が暖かいので廊下やお風呂に行っても移動に伴うヒートショックはありません。
最近様々な断熱材や構造材などが開発されています。しかし、それは「人間の快適さ」のために、石油などの化石燃料を材料に使い二酸化炭素を排出し「地球の快適さ」を破壊しています。そして、人は一日中暖房をつけっぱなしにして大量のエネルギーを消費します。
そんなことをしなくても、自然の素材や自然をうまく活用することで、人も地球も快適にできる方法はあるんですよね。
次回は、八ヶ岳周辺にはどんな「土地」があって、どのくらいの金額で手に入るかなどを書こうかなと思います。