寒を待ちわびて、
- アトリエDEF
- 八ヶ岳営業所
先日、DEFで取り扱わせていただいている、薪ストーブ、
イエルカストーブのイエルカさんのおうちをお訪ねしました。
イエルカさんのおうちは南信州の中川村の山奥にある古民家です。
中川村は日本の美しい村100選にも選ばれているとっても素敵なところ。
きらきらするような自然が魅力的な場所です。
今回は設置予定の薪ストーブを受け取りにいくという用事でした。
そしてこれがイエルカさんの薪ストーブ。
薪ストーブといえば鋳物(溶かした鉄を型にいれて成型するもの)が多いのですが、
イエルカさんのストーブは鉄板を曲げ、溶接して形作るものになっています。
自由に形を決められる鋳物と違い、鉄板という素材の持つ制限のもとに形が決められているので、
そのデザインはいたってシンプルです。
そんな飾らないデザインが僕は大好きです。
冬の出番を待つイエルカさんの薪ストーブ。
頼もしい存在感を放ちつつも、主張することなく古民家の中で調和しているように思います。
受け取り作業のあと、イエルカさんと奥様の悦子さんがコーヒーとお菓子をご馳走してくださいました。
林檎と梨と葡萄のクランブル。
果物に小麦粉とバターと砂糖をまぶしただけでできる簡単なケーキだと教えてくださったそれは、
まだほんのりと温かく、やさしい味がしました。
お菓子を食べながら、イエルカさんご夫妻といろんなお話をしました。
寒い国の生まれだから、長野の夏でも暑いこと。
でもその分、これから寒くなってくる次の季節が楽しみなこと。
元はおいしいパンとピザを焼くために薪ストーブ作りをはじめたこと。
厳しい長野の冬も、薪ストーブと一緒ならとっても待ち遠しい、
豊かな季節のひとつなのかも知れませんね。
今の僕と同じ年のころに母国を出たというイエルカさんの生い立ちのお話に移りつつ、いろんな国を見てきた中で、
日本の家が、中でも木と土で作った古民家がとってもきれいだという、住宅の話へ。
古民家であるイエルカさんのおうちはもちろん土壁の家。
僕は今度、土壁用の土作りを学びに、長野市に赴くのですが、
そのことを伝えると、それはとってもいいことだと励ましてくださいました。
僕自身の個人的なお話もしつつ、好きな建築家の話をしたり、
日本の景観の話をしたり、素敵な暮らしの話をしたり・・・etc
とっても豊かな時間を過ごさせていただいたように思います。
陶芸もやってらっしゃるイエルカさん。
帰り際にカップをひとつ、プレゼントしてくださいました。
おそらく、薄く延ばした板状の土を丸めて成型しているのでしょうか。
イエルカさんの薪ストーブにどこか似ているそのデザインは、とっても手になじみます。
学生時分から業種柄、作家さんのような方々とお話させていただく機会に恵まれているように思います。
その都度いつも思うのですが、いい物を作られる方はどうしてこんなにも、
綺麗で、正しくて、素敵なんでしょう。
そんな人になりたい、工事部の漆戸航でした。
イエルカさん、悦子さん、本当にありがとうございました。