yatsugatake
火を焚きなさい
- アトリエDEF
- 八ヶ岳営業所
2月の終わり。原村。
季節が移ろっていく兆しはあるものの、朝晩はマイナス7度くらいまで下がり、
まだまだ寒い、冬の八ヶ岳の暮らし。
そんな中、なくてはならないものが、火です。
かまどの火。
八ヶ岳営業所のお昼ごはんは、大所帯。
10人以上で食卓を囲むなんてのも、ありふれた風景です。
焚き付けの木っ端を割って、かまどに火をつけてお釜を乗せたら15分。
みんなのごはんが一気に炊けます。
寒い日でも、かまどの前は、いつもあったかい◎
焚き火の火。
この前のイベントで、みんなで一緒に焚き火で飯盒炊爨をしました。
地面には雪が残っているけど、こうして地面でも火を焚けば、あったかい◎
寒い時ほど、火はあたたかくて、近寄りたくて、神聖に思えるもの。
薪ストーブの火。
我が家の風景です。朝と晩の2回、火を付けます。
どうしたら火がつきやすいのか、少ない薪の本数で長く持つのか。
失敗をたくさんしながら、なんとなく、だんだんと慣れてきました。
DEFの家に住んでから、テレビをなくしました。
朝と晩、それまでテレビを見ていた時間は、炎をみたり、
炎を感じながら本を読んだり、お話したり。
そんな時間に簡単に代わりました。
そんなわけで、私は毎日、火と暮らしています。
火と暮らすってことは、木と、それを育む森と、山と暮らせているってこと。
東京で働き、生活していた時には、想像もできない日々です。
そんなことを考えていたら、私の心の聖地!屋久島に暮らした詩人
山尾三省さんの詩に出会いました。
火を見ていて、懐かしくも新しいのは、こういうことなのかな。
以下、引用です。
—————————————-
「火を焚きなさい」 山尾三省
山に夕闇がせまる
子供達よ
ほら もう夜が背中まできている
火を焚きなさい
お前達の心残りの遊びをやめて
大昔の心にかえり
火を焚きなさい
(中略)
人間は
火を焚く動物だった
だから 火を焚くことができれば それでもう人間なんだ
火を焚きなさい
人間の原初の火を焚きなさい
やがてお前達が大きくなって 虚栄の市へと出かけて行き
必要なものと 必要でないものの見分けがつかなくなり
自分の価値を見失ってしまった時
きっとお前達は 思い出すだろう
すっぽりと夜につつまれて
オレンジ色の神秘の炎を見詰めた日々のことを
山に夕闇がせまる
子供達よ
もう夜が背中まできている
この日はもう充分に遊んだ
遊びをやめて お前達の火にとりかかりなさい
小屋には薪が充分に用意してある
火を焚きなさい
よく乾いたもの 少し湿り気のあるもの
太いもの 細いもの
よく選んで 上手に組み立て
火を焚きなさい
火がいっしんに燃え立つようになったら
そのオレンジ色の炎の奥の
金色の神殿から聴こえてくる
お前達自身の 昔と今と未来の不思議の物語に 耳を傾けなさい
「びろう葉帽子の下で/山尾三省詩集」(1993年、野草社刊)より
————————————————–
火を焚きに、循環の家にお越しください^^
yosssy