アトリエDEFの家 合板は使わない
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アトリエDEFの家づくりの大きな特徴のひとつに、合板を一切使わないということが挙げられます。
合板は木をかつら剥きにし薄いシート状にしたものを接着剤で貼り重ねてできる板状の製品です。接着剤の使用料がとても多い建材と言えます。
類似するものに集成材が存在します。
どちらも天然木を一度切り刻んだ後接着剤でくっつけ合わせた建材で、その加工に当たっては相当のエネルギーを消費しているものです。
合板は、木が反ったり曲がったりというデメリットを解消し、安定した品質を保つことができるので建築のあらゆるところに使われています。
壁や床といった大きな面をつくるのには最適で施工性も非常に良いので使い出したらやめられません。というより今の建築の世界では合板を使わないということのほうが非常に珍しいし、言い方を変えれば、合板なしの建築は考えられない! のです。
約10年前に我社では合板の使用を禁止しました。
社長の「ヤメ!」の号令のもと便利な合板を使うことが出来なくなってしまいました。
病気の無い自然素材の家づくりを目指したときに、この「合板不使用」は不可欠であり、これをクリアしない限り自然素材をうたえないという絶対条件でありました。
何が問題かというと接着剤の存在です。
合板は接着剤の塊です。壁も床も屋根も、面という面はこの合板で形成されているわけですから、接着剤の使用量はものすごいことになるはずです。接着剤はホルムアルデヒドを含有しているものがほとんどで、シックハウス対策等でその放散量を規制はしていますが、使っていることに変わりありません。
また製品の安定のために防腐剤などの化学薬品の含有もあります。
家の完成後、合板などに含まれるホルムアルデヒドをはじめとする化学物質が温度変化などによって揮発し、家の中の空気中に放散されます。住んでいる人はその空気を吸って生活をします。気密住宅や窓が少なく換気の悪い家は非常に危険を伴います。
イメージとして、新築間もない家、夏の暑い日に窓を閉め切ってエアコンをガンガン使っているような状況は最悪。そして揮発した化学物質は暖かい空気の上昇気流にのって上に上に行きますので、2階の子供部屋あたりが最高に濃密状態になるはずです。
子どもさんが鼻血をブーしていたらやばいと思ってください。
まーとにかくそういうわけですので、アトリエDEFでは自然素材で住む人に安全な家づくりを決意した以上この合板の使用を一切やめてしまいました。
合板が大きな面をつくるのに便利ということを先ほど書きましたが、合板登場以前はどうだったか?ということだけ書いて今日は終わりにします。
2通りあると思いますが、ひとつは小舞(コマイ)を掻いて(かいて)下地をつくった上に土や漆喰などの左官材を塗って面をつくるやり方。
もうひとつは、板や瓦など比較的面積の小さなものを張り合わせて、重ねて面をつくるやり方。
壁にしろ屋根にしろ大きな面をつくるということは非常に時間と手間のかかる作業だったのです。
kojima