yatsugatake
当たり前の土。
- アトリエDEF
- 八ヶ岳営業所
やってることは地味ですが、壁土、作ってます。
土、水、藁をまぜる、それだけの地味な作業。
土、も もちろん大切ですが、
土と同じく大切なのが、藁です。
壁土づくりでは、
土に対し、体積にしておおよそ2:1の割合で、
藁を混ぜています。
この藁が、土をただの土ではなく、
家の材料としての「壁土」にしてくれるのです。
そんな大切な藁だから、
DEFで作る土壁だから、
できれば無農薬のものを使いたい。
そのために、いろんな農家さんを尋ねながら、
東奔西走、藁を集めています。
そんなところで、活きてくるのが、
DEFがこれまでにやってきた、「暮らし」にかかわる取り組み。
DEFスタッフに一声掛けると、ぽろっと、無農薬の農家さんにたどり着けます。
それは過去のお施主さんだったり、イベントでお世話になった方だったり、
てくてくでつながっている方だったり。
とてもとても、ありがたいことです。
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僕の個人的な話ですが、DEFにいるとたまに、
いろんなことが当たり前のように錯覚してしまうことがあります。
たとえば土壁で家を作ることや、無農薬でお米を育てること。
もちろん、そこにはとても簡単には当たり前と言えないような労力がかかっていることは、
身をもって知っています。
それでも当たり前と言いたい、思いたいのは、
それらがとてもシンプルなことだから。
土と水と藁だけで壁を作る。余計な接着材なんて入らない。シンプル。
お米を農薬なしで作る。余計な化学物質は入らない。シンプル。
シンプルだけど難しい。
でも決して特別ではない、当たり前のはずのこと。
錯覚してしまうのは、心のどこかで、
当たり前であって欲しい、なんて願いがあるからかも知れません。
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DEF自社生産の壁土、今度は別の現場に出荷しました。
壁土の出来は左官屋さん曰く「最高だ」とのこと。
でも所詮、2回のうちの最高なので、
「前のと比べてかなり良い」程度だと、自分に言い聞かせてます。
だけどやっぱりちょっとうれしい。
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決して最高でも特別でもない、当たり前の壁土。
そんな気持ちで現代版土壁の家、提供できたらいいなって思ってます。
工事部の漆戸航でした。