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環境を白書する
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「環境白書」に「アトリエデフ」が取り上げられました。
みなさんは「環境白書」ってご存知でしょうか?
「環境白書」とは、環境省が毎年5、6月頃に発行する白書のことです。
「白書」とは、ある方面について、その現状の分析と将来の展望をまとめた実状報告書をさします。
「環境白書」は「白書」の名の通り、前年度の自然環境状況に関する報告、本年度に目指す環境保全に関する施策の二部構成になっています。
「環境白書」の前身は昭和44年〜昭和46年に厚生省が発行した『公害白書』で、昭和47年版より『環境白書』へ名称を変更し、新しく発足した環境庁が発行しました。平成13年版以降は環境省が発行しています。平成19年版からは『循環型社会白書』と合冊になり、平成21年版からはさらに『生物多様性白書』も加えた合冊になりました。
今年の白書は「気候変動時代における私たちの役割」として、政府、自治体、企業、私たち個人による脱炭素型、自立分散型の社会づくりに向けた具体的な取組及び新型コロナウイルス感染症に対する環境行政の対応について記載され、コロナ後の経済復興に当たっては、持続可能でレジリエントな経済社会へと再設計していくことが不可欠として、一人一人ができる取組の一つである食やエネルギーの「地産地消」など自立分散型の社会づくりに向けた取組を具体事例とともに紹介しています。
アトリエデフは「一人一人から始まる社会変革に向けた取組」の章で「暮らしを豊かにしながら環境保全に資する企業」の事例として紹介されました。
こちらは、白書からの抜粋です。
こちらは、白書概要の掲載ページです。
「環境白書」の前身は『公害白書』です。
『公害白書』とは、昭和42年8月制定の公害対策基本法に基づき、政府が国会に提出した報告を「公害白書」として公表したもので、現在では公害史研究の貴重な資料となっています。
政府が「公害白書」を編纂したのは、国民の基本的人権を脅かす〝公害という問題〟が、そこに存在したからです。やがて「環境白書」へと名を変え『循環型社会白書』『生物多様性白書』と合冊になったのは、やはりそこに〝循環を阻害する社会構造〟と〝生物多様性を破壊する環境〟があったからです。
その〝問題〟を〝解決〟する手がかりとして「白書」が作られるのです。
日本の「環境白書」は五十年あまり作り続けられています。
ということは〝問題〟は解決するどころか、新たに生まれ続けている現状です。
アトリエデフが「環境白書」に取り上げられたのは、〝問題〟を〝解決〟する〝行動〟をしているからに他なりません。
私たちの、自然の循環を邪魔しない家を作るという〝行動〟は、もちろん政府からの要請ではありません。山や海と共に暮らし、自然の循環に寄り添う生き方をする多くの人々も、国からの依頼でその選択をしたわけではないでしょう。
生物としての人間が生きていくには、土や木や水が必要だという実感から、その選択をされたのではないでしょうか。
今年の「環境白書」は400ページに及ぶ分厚い本です。しかしそこに問題解決への〝答え〟は書いてありません。事例として取り上げられたアトリエデフの〝行動〟も答えではありません。
実状を把握し、模索しながら、多様な生物が生き続けられる未来へ向かって一人ひとりが〝行動〟し続けるしかないと思います。
白書の事例にあるアトリエデフの〝行動〟は答えではないですが、誰かの〝ヒント〟になって一緒に〝行動〟し、それが大きな力になれば、ひとつの〝答え〟となるかもしれません。
[環境白書アレコレ]
●第3章 一人一人から始まる社会変革に向けた取組 ←アトリエデフ 掲載章
●中学生・高校生を対象に総説の内容を図表中心にまとめた『図で見る環境白書』、小学生・中学生を対象に白書の内容をわかりやすくまとめた『こども環境白書』も毎年発行されている。
●市販版は、政府刊行物センターや政府刊行物取扱書店等で6月下旬より入手可能。