kanto
おすすめの本の話。
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今日は本のお話。
本には小説だったり、自己啓発本、写真集、ビジネス書、実用書、児童書…etc
たくさんの種類の本がありますね。自分は本はぼちぼち読む方だとは思いますが、けっこうジャンルは偏ってます。
小説とかは、まだなかなか手が出せていないです。映画とかは好きなので読み出せば面白いんでしょうが、まだ未開の地です。
どちらかというと建築の本や実用書などを読むことが多いです。実際に生活とか仕事をしていて、浮かび上がった疑問に対してどう対応するのがいいのかなぁって考えながら読むことが多いです。
で、今日の推薦図書のお話。
『建築は詩』という、建築の本。ジャンルは何になるんだろう?実用書なのかな?
この本は建築家の吉村順三氏
(建築のお仕事されている人ならご存知だとは思いますが、一般の人への浸透率は謎ですね。たぶんそんなに認知されていないのかな?)のインタビューだったり、雑誌・雑誌等でのコメントを抜粋してまとめた本になっています。
吉村順三 氏をご存知でない人のために。
設計した建物で、1番有名な建物は、なんだろうな。
住宅がメインの方なので、公共施設とかもやってはいるけど数は少ない。だから一般の人の認知度が低いのかもしれない。
1番有名なのは、たぶん軽井沢の山荘。
この外観は、なんとなく見た事もある人はいるんじゃなかろうか?
あとは京都の俵屋旅館の増築改修も手掛けてます。
木造がメインで、安藤忠雄氏や隈研吾氏など、わかりやすいインパクトのある設計というより、落ち着いた設計という印象かもしれない。
でも、今自分が住宅設計の業界に身をおいていて感じるのは、現在住宅設計等で有名な建築家とされている方々(伊礼智さんだったり、中村好文さんだったり)からも、全てではないけど、設計したお家から吉村さんの香りを感じる事は確実にある。
建築の設計に正解もなにもあるわけではないけど、一つのベンチマークになっている人ではあります。
で、本の内容。
一番最初に書かれている文が、この仕事を選んだ理由でもある。
ココにも書いてあることだけど、
建築家というか、建築設計をする人というのは、計算では出てこないような感覚の部分(例えば、ここ落ち着くな。とか、ここなんか圧迫感あるな。とか、開放感あるな。とか)、人の心理、生活というモノを寸法(ミリ単位で)表現し、形にしていく職業。
なので、普段の仕事で家のプランとか、詳細図とか、家具図とかを書いているときは、平面方向も高さ方向も3次元でその空間を考えながら、それを数値にして図面として表現する。
なので、普段の生活をしていても、仕事(建築設計)に生かされる場面というのは、けっこう多い。
例えば、家の掃除をしている時
例えば、料理を作っている時
例えば、庭で作業をしている時
例えば、疲れて帰ってきた時
みたいな感じで、まずその経験をする。
で、その自分の経験を設計に生かす。
だからなのかな、住宅の設計をしていて料理をしない人は、どうやって想像しているのかなって思う。
これはもちろん定石と言われるモノもある。
それプラスあとは自分が今までの経験で得てきた感覚。
「ここが300mmだと、こっちが残り610mmか、通路幅としては…」っていうような感じで左脳から右脳へ、右脳から左脳へっていうのを行ったり来たりしている感じがする。
その定石だったり、吉村さんの経験してきた、積み重ねてきたことをを書き記しているのが、この本なんだと思う。
例えば↓
住宅の広さというのは、心理的な問題ではないでしょうか。狭い家でもそのなかでどこまで広く自由を取れるかということがプランのいちばんはじめの条件だよ
狭くてもデザインによって広さを感じさせられる。私は割合ドアの高さを高くするのです。そうすると、開放感がずっと出てくる。障子の桟など大きくするのも広く見せる一つの方法なのです。
などなど、こんな感じで細切れに書いてくれているので非常に読みやすい。
自分もプランに入るときは(毎回じゃないけど)、この本を読み直して、気持ち新たにプランをするっていうことをずっとやってます。
なんで自分がコレをしているのか?
を忘れないために。
建築の仕事していない人でも読んだら楽しいんじゃないかな?
おすすめです。
まる。