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木造住宅って昔からあって、昔と同じ。
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こんにちは。 関東営業所のまるやまです。
最近思うのは、木造住宅って昔からあって、昔と同じような作り方をしているから、伝統というか、決まりというか、をとても大切にする考え方が根幹にあるような気がしてる。
木造住宅のつくり方として、大きく分けると2つある。
木造軸組工法と木造枠組工法というのがある。
アトリエデフでは作ってないけど。
先に木造枠組工法の方の簡単な説明。
日本では通称「ツーバイフォー工法」と呼ばれるものです。
木造枠組壁構法は、フレーム状に組まれた木材に構造用合板を打ち付けた壁や床(面材)で支える構造のもので、壁で建物を支えるようなつくり方のものになります。
19世紀に北米で生まれ、その後アメリカ全土に普及した。開拓者が自ら作る為のキットハウスが、その原形とされるみたい。
現在、欧米では標準的な木造住宅の構法であるが、日本でも1974年に三井ホームによりもたらされ、その後、数多く建築されるようになったものです。
家を作っている時にパネルっぽいものを使っている場合は、これが多いのかな。代わりに柱がない感じの家はコレですね。
木造枠組工法は、こんな感じ↓
もう1つの工法は、木造軸組工法。
アトリエデフはこちらです。
日本で古くから発達してきた伝統工法(でんとうこうほう)を簡略化・発展させた構法で、在来工法(ざいらいこうほう)とも呼ばれている。
木造枠組壁構法がフレーム状に組まれた木材に構造用合板を打ち付けた壁や床(面材)で支える構造であるのに対し、木造軸組構法では、主に柱や梁といった軸組(線材)で支える。設計自由度が比較的高めの工法。
木造軸組構法では、各部材に、継手・仕口などの複雑な加工を施すため、手作業による加工には高度な技術が必要とされます。
一般的な木造軸組工法はこんな感じ↓
何が違うか?
上記に書いたように、壁で作る。柱・梁で作る。って書いてあるけど、言葉だとわかりにくいですよね。
たぶん上の2つの写真を見てもらっての1番の違いは、部材の種類の多さが大きく違う。
枠組工法は、主に2×○材という材料を使っている。種類も3~4種類ぐらい。シンプル。
軸組工法は、ほんと色々。基本となる寸法は「尺貫法」を元に作られているので、1寸(30mm)を基本寸法として考えられている。
部材の種類はホントたくさん。ホントに…
例えば…(以下ミリ単位です)
柱は120×120。寸で言うと4寸×4寸。通称4寸角。
梁は、いろいろだけど。幅はいちいち言わない。だって4寸だから。
せいを言う事が多いから、7寸梁(120×210)、尺梁(120×300)
根太(床を支える下地材)は、45×60(会社によっても違うかな)です。
1.5寸×2寸なんだけど、大工さん達が言葉にするときは違うんですよね。
「インゴニスン」っていうんです。
1.5寸×1.5寸だと、「インゴカク」って言います。わからないですよね。
他にも、間柱だったり、垂木だったり、野縁、胴縁…
一般の人には読み方もわからなそうなモノばかりです。
この仕事についてまず覚えなければならなかったのは、上記の尺貫法であったり、部材の寸法の名前とサイズを頑張って覚えた気がする。
なので、この尺貫法を元に在来工法の家は基本的に作られています。
1寸は30mm、厳密に言うと30.303mm。
その上の1尺は、300mm、厳密に言うと303.03mm。
わかりやすいのが、畳の大きさ。
厳密に言うと、関東間とか京間とかあるけど、
畳の短いほうが、3尺。およそ、910mm
長いほうが、6尺。およそ、1820mm
でこれが1帖(畳)。
で、その畳2枚分が1坪。坪単価とかって聞いたことありますよね?
その坪です。
一応言っておきますが、水入れる坪じゃないです。
なので、大工さんが使っている道具の中で、「指矩」というものがあります。
これ↓
見たことある人もいるのかなー。
どうだろ。
でも、大工さんはこれを使って、勾配(斜めの角度)を出したりする。
それは規矩術と言って、自分も使えるわけではないので説明できないのだけど、詳しくはWikipediaを御覧ください。
規矩術(きくじゅつ、規矩法とも)
なので、在来工法を手刻みでやっている大工さんって使っている材料の大きさだったり、使う道具だったりってあんまり変わってない。
電動工具はもちろん使うけど、それは動力が変わっただけで、根本は一緒。
のこぎりが丸のこに変わっても、切るという行為は変わらない。
それが、良いことなのか、進歩してないと捉えるのかは微妙なところだけど。
家って当たり前だけど、土地に作るモノで、風雨にさらされる。
もちろん材料とかも変わってはいるんだけど、基礎とかも変わってもいるんだけど、元々の作り方は変わってないところが自分は良いなぁと思う。
日本という島国で生まれ、日本の気候に合ったつくり方。
もし気候だったり、材料の取り方とか、日本という島国(高温多湿な)の地域性に合ってなかったら、もう現在には残ってないんじゃないかなって思う。
日本という地域に合う。蒸し暑いし、寒いし、雪も降るし、湿度も高い。地震も多いし、台風もくる。
しかも島国だから材料は、その国にある材料だけに絞られる。
そんな中残ってきた作り方。
そんなモノが、今も自分が作って、それがまだまだこの世に(たぶん自分より長く)残っていくなんて、なんか素敵な事だなぁと。
そして、その責任もあるなぁと思っているこの頃です。
まる