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群馬イベント報告~大工さんと家づくりのお話会~
- アトリエDEF
- 八ヶ岳営業所
毎日・雨だいね~
ぐんまのさくらいだんべ~ということで、
(群馬弁にも慣れてきましたよ)
先週の日曜日、高崎実験棟・小さな土壁の家にて、「家づくり教室~大工さんとかまどを囲んでのお話会~」が開催されました~。生憎の雨ではありましたが、カナダご出身の大工さんがゲストで、また違った視点の興味深いお話に皆さん熱心に耳を傾け、質問や笑い声の絶えない、とっても充実した時間を過ごすことが出来ました。
もちろん、かまどのごはんも炊きましたよ~。(^^)今日はそんな様子をレポート致します!
このイベントのそもそもの発端は、DEFには素晴らしい職人さんがいっぱいいるけど。。
お客さんとお話しする機会って少ないよね~~。
皆さんとっても魅力的な方ばかりなのに、もったいないな~。
こんな人たちが作る家なんです。。って知って欲しい。。。そうだ!イベントに呼んじゃおう!
というのが今回の始まりなのでした・・・・
↑この実験棟を建てたのも、今回お話してくださったアダムさん(カナダご出身)です。
現在は富士見のお家をお願いしています(^^)
日本の在来工法・手刻みの大工さんです。
カナダ時代には工業デザイナーをされていたそう。
本や図面で見ても、なかなか分からなかった日本建築を見たくて、日本へ来たそうです。
その時あるご縁で、何百年の大きな古民家の解体に参加。
素晴らしい梁や柱。。。材料もさることながら複雑で美しい構造に胸を打たれたそうです。
でも、、、、解体してしまうと、
ただの木になってしまった。。。これを組み立てる、知識・技術がなければ
どんなに立派でも、薪のようなもの。。
そうだいつか、これを組み立てられるような日本の大工になりたい。。
そんなことから、ログハウスの仕事を経て、在来工法の手刻みの修行に入りました。
~日本の木と手刻みの技術~
西洋にも実は、ティンバーフレームという木組みの技術があるそうです。
だけど、いったん衰退してしまっているから、40年前くらいに、昔の本を頼りに復活されたもの。。
日本の手刻みはというと、大昔から引き継がれ、
人々が進化させて来た、今一番いい状態がここにある千年の技術。
「生きています。」とアダムさん。
~プレカットと外材について~
日本の木を使うには、日本の手刻みでなければいけない。「これはセットです。」とアダムさん。
温暖多湿な日本で育った木は、どれだけ乾燥させて家を建てたとしても季節によって動きがあるそう。
その箇所や、木のくせ・動きをよんで、仕口と継手を作る。
大工さんは一本いっぽん木目の幅は勿論、木の表・裏も見極めて、適材適所でどこに使うか決めて、墨付けをするそうです。
木のねじり、上下のひっぱり、左右のひっぱり、その箇所で箇所で、3Dで考えられた継手と仕口。
コストカットを優先させるが為、手刻みでないプレカット(機械刻み)が主流な現代。。
だけど、プレカットに、日本の木は合わないそうです。
表・裏などを考えずに、一様に機会に入れられ刻まれる木に向くのは、
寒い場所で育ったカナダなどの北米の木。そうすると、加工しやすいその木を、輸入する必要が出てきます。
その木を日本に入れるには、薬剤処理をしなくてはいけない。
もしくは、国産の木を使ってのプレカットをしても、結局木が動くから、金具を沢山使い、固めてしまう。手刻みじゃない家が多い。
現代は、構造が見えない家が多いね。だから、金具をいっぱい使っても見えないよ。。
昔からの家はね。。嘘がつけないの!構造も見えるでしょ!柱も梁もそのまま。
「だから、地元の木を使って家を建てることは、安全だし、美しいし、手刻みがいいんだよ。」とアダムさん。
この二つの木の目を見てみて下さい。。何が違う??(アダムさん)
木目の幅が違いますね。
年輪の幅が広いと、時間が経って乾燥が進んだあと、スカスカになります。
まるで、冷凍食パンをチンした時みたいにね(笑)
強度が弱いね~~。でも軽いね、その両方を生かすにはどこに使うか。
こういうの考えてつくるね。 (アダムさん)
今度は荒削りの木と、裏表を決めてカンナをかけた木。
何が違うか??カンナをかけると、表面に水や菌が着きづらくなり、
腐りにくくなるんだよ~(アダムさん)だから、丁寧にカンナをかけるんだそうです。
<<<ここでちょっと休憩>>>かまどごは~~ん
今日のお米は、みんなが知ってるササニシキなどの祖父母!祖父母は私も知らなかったです。
それ以上、さかのぼることができない在来種の「朝日」!
おかずも少なかった昔の人は、このあっさりしたお米を食事のメインで
食べていたのでしょうか。夏にはもってこいのサッパリした味、みんなお代わりでパクパク。
和やかな中、会話も弾みますね。(^^)
至福の時間でした~
午後は砥石部長が、日本の山の現状と、林業などのお話。
家、一棟建てるには「木が200本必要なんです」
みなさん「え======3そんなにっ」
だから、森の手入れをしていくのは、私たちの使命ですよね。
木が育つまで60年とかかかる訳で、家はそれ以上に100年200年と住み継ぎたいなと。
日本は、世界でも有数な森林大国。ツタが絡まった、暗い森も、国産材を使って、
手を入れて森を元気にしたい。DEFはそんな思いで家づくりをしています。
日本の森と、日本の家、大工の手刻み。
これらはバラして見るものではないんですね。
最後に。。。
アダムさんから、、、
「いい家とは。。設計士から言われるままに、大工が作業のようにつくっても。
大工が俺の仕事だ!と自分の我を通し過ぎても、いい家はできません。
現場監督や、もちろん一番のお施主さん、関わるみんなで作っていくもの。
昔ながらの知恵を活かし、現代の断熱などの新しいものも取り入れてこそ、
今の人にあった家ができます。と私は思います。」とアダムさん。
山→木→材木に加工→お施主さん・設計・大工・監督→完成→住みながら育つ家、大事にされる家
これはまるで、エネルギーのリレーだなと思いました。
大切にされたものは、ゴミにもならずに、受け継がれ大事にされていく。
完成時が家の最高潮の時ではなく、時間が経つごとに、よくなってく家。
そんな家づくり。これから私たちDEFも続けていきたいと思います。
以上、長くなりましたが、イベント報告とさせて頂きます。
お読み下さり、ありがとうございました。
★なお★
追伸:8月には群馬の森を見てみよう!木が製材される過程の見学も企画中!
こうご期待でーす(^^)