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蘇る古民家 フルリノベ お引渡し
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ここは、神奈川県西部の酒匂川流域の町です。神奈川県も厚木以西に入ると富士山が大きく見え始め、国道246号線を御殿場方面に進むと、そのシルエットは美しさを増して視界に飛び込んできます。その姿と穏やかな風景に誘われて、松田町や開成町、そして山北町には、良く撮影に出かけたものです。道の駅を渡り歩いて、車中泊で3泊4日・・・とかね(笑)。
その神奈川県西部にある山北町で、築150年が経過した古民家のフルリノベーションを行いました。山間の町で大切に住み継がれてきた古民家は、新たな住まい手となるお施主さまの想いが注ぎ込まれ、自然素材に包まれた新たな間取りと現代の住宅設備に刷新されました。ベースとなる古民家のシルエットを残しつつ、屋根は濃紺のガルバリウムに噴き替え、外壁はカラマツの板張りで囲んでいます。低く抑えた屋根も相まって、晩秋の風景にとても良く馴染んでいますよね。
フルリノベーションですので、間取りも原形を留めないほどの変化を遂げています。玄関に入ると広々とした土間に迎えられ、間仕切りがほとんどない広々としたリビングが視界に飛び込んできます。改修前は天井裏に隠れていた梁・桁・束は、今回のリノベーションで吹き抜け空間に躍り出ることになりました。改修物件ならではの見せ方ですね。木製キッチンは、グリルとシンクが並列配置されたスタイルで、横幅も十分にあることから、収納もたっぷり確保されています。大きなアールを描く水栓も、良いアクセントになっています。
南側の大開口部は、4連の木製サッシによって成立しています。モデルハウス『循環の家 八ヶ岳』で見られる仕様と同等のものです。近景の山々や庭木を取り入れ、光と風を感じながら暮らす。リビングはそんな暮らしを叶えるステージになっています。ソファー後方の建具は、リビングと子供部屋を仕切る引戸なのですが、改修前の家屋や倉庫に眠っていた建具を再活用しています。リノベーションならではのアレンジが、ここでも光っています。
土間は庭とガレージを結ぶ玄関の役割を果たします。元々は馬小屋があった場所だそうで、令和のリノベーションで、こんなにオシャレな土間に生まれ変わりました。もちろん、土地で汚れた野菜やキャンプ用具を置く場所としても、大変便利なスペースとなります。玄関ドアは木製引戸で開閉を行います。玄関ドアの直上には、絶妙なサイズ感の横スリット窓が配置されており、風景を切り取るエル字開口の切り取り方が良いですよね。
夕暮れが近づくと飴色に包まれた木の家が、夕景に浮かび上がります。母屋真横にはガレージが設けられ、前述の土間に直結しています。お庭の広さも十分にあります。子どもが走り回ったり、庭木の手入れをしたり、星空をゆっくり眺めてみたり、色々な暮らしのシーンがイメージできます。お庭に出ると富士の大きなシルエットを拝めてしまうのも、羨ましいポイント。「イイなぁ、ここで暮らしたいぞ!」と、思わず心の中で呟いてしまいます。そう、山北町は暮らすにもとても良い場所なのですよ。
今回、施工事例の撮影も兼ねて現地にお邪魔しましたが、アトリエデフのリノベーションが持つ可能性の高さを実感しました。改めて施工前の写真を拝見すると、どれだけの大きな刷新が図られたのか一目で把握できます。放っておけば「ただの古い家」となりがちですが、新たな住まい手さまと、現代の暮らしにフィットしたプランを創り上げ、次代の命を吹き込んでいく。その具現化が今回のリノベーションに存在すると感じました。お施主さまご家族には、この地での新たな暮らしを目いっぱい楽しんでいただきたいと思います!このたびのお引渡し、誠におめでとうございました!