木の乾燥。
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夏から参加してきた県の森林林業セミナーも今月が最終回◎
今月は伐採後の搬出作業など現場の作業を経験しながら、
今日は木材利用について学びました◎
住宅用の建築材としての利用方法の講義もあり、
主にその乾燥方法について教わりました(^^)
写真は梁桁など構造材の荷重実験を行ったもの。
色々な乾燥スケジュールを立て、たくさんのサンプルをもとに実験と検証を繰り返しているです。
今回、お話を伺った主な乾燥方法は高温セットという乾燥方法。
120度程度の高温で材の表面を一気に乾燥させます。
そうすることで乾燥に伴って材面に表れる割れを防ぐのだそうです。
講義をしてくれた先生は乾燥とひび割れの関係を、
木材の構造組織と一緒に分かりやすく説明してくれました(^^)
材の割れについては荷重実験の結果でも材の強度とは関係ないことが実証されているのとのことで、
そもそも生き物である木が周りの環境に反応してこうして動くということは、
ごく当たり前のことであるとも強調されていました。
それでもやはり、こうしてひび割れのない材をつくるための乾燥方法を研究していかなければならないのは
これまでの時代の流れなのだと思います。
昔のように大径の木が少なくなり、間伐等の手入れがなされずに育った今の山の木は、
どうしても大きな材料は木の径をいっぱいに使って木取りをする必要があります。
そうなると材料に柾目と板目の部分ができて収縮と共に割れやねじれが出てきてしまうのだそうです。
こうしてできた割れやねじれは、不良品や強度が弱いというイメージで敬遠されてしまうため、
乾燥技術の開発をおこない、割れのない材料を作っているのだそうです。
夏からの研修で山の現場に入ってあれこれと木のことを教わるにつれて、
木は生きているという、当たり前のことを教わりました。
木の実からは目が出て育つし、木を伐った断面からは水や樹脂がでてきます。
倒してから時間が経てば、呼吸をする木の葉っぱからは水が抜け葉は萎れて、材が軽くなります。
木がその全体で環境に合わせて呼吸をしているようにも思いました(^^)
だからといって、木を使うならば割れを気にしないようにしましょうということではありません。
高温で木を乾燥させる技術がいいとか悪いとかいう話でもありません。
それでも、身の回りで木の生きる命を感じる暮らしを通して、
森に生きる木、家や家具の素材としての木との付き合い方を考えていけたらいいなと思いました(^^)