薪ストーブを使い始める前にやっておくこと
長野県では、10月に入るとグッと気温が下がりはじめ、早いところだと10月下旬ころから霜が降り始めます。寒くなる前にやっておくといいのが、薪ストーブの煙突掃除です。煙突掃除は毎シーズンやった方が安心ですが、上手く薪ストーブを使っている方もいるので、煙突内に煤やタールが2~3ミリほどこびりついてきたら、やった方がいいでしょう。
煙突掃除はなぜやるのか?
薪ストーブの排煙には、煤とタールが多少なりと含まれています。それらで煙突が詰まると、ドラフト(煙突内の上昇気流)が得られず、ストーブが上手く機能しません。最悪、煙道火災を起こる危険性があるので、シーズン前には必ず煙突を確認することをオススメします。
煙突が詰まってしまう原因とは?
よくある原因は、薪がしっかりと乾いていないこと。購入した薪の場合は大丈夫かと思いますが、原木から自分で薪割りをしている場合は、最低でも半年以上乾かしてから使いましょう。また、広葉樹は針葉樹よりも乾きが遅いため、できるだけ長く乾燥させましょう。
他には、薪に針葉樹を使っていると煤やタールが出やすいこともあるので、主に針葉樹を使っている場合は、少し気にしてみてください。きちんと乾燥した薪を使っていても、うまく温度が上げられていないと煤やタールが発生しやすいので、正しく薪ストーブを使うことが一番かと思います。
乾燥していない薪を使うとどうなるのか?
十分に乾燥していない薪を燃やしたからといって、煙突がつまるわけではありません。それが大きな原因となり、より一層煙突が詰まりやすくなる流れができてしまうのです。乾燥していない薪を燃やすと、水蒸気が発生して、なかなか温度が上がりません。
温度が上がらないことで、より一層煤やタールが燃焼されずに煙と共に上昇し、煙突内にこびりついてしまいます。煙道が塞がり始めると、いよいよドラフトが得られなくなって煙が逆流し、室内に流出してきます。
怖いのは、ここからです。そのまま使い続けると、煙道内は煤とタールでどんどん詰まっていきます。そして、薪ストーブを使用している途中でこびりついた煤やタールに引火し、煙突内で勢いよく炎が燃え上がってしまう「煙道火災」が起こってしまうのです。薪ストーブを使う冬は、空気も乾燥しているため火の回りも早く、大きな火災になりかねませんので、使っているうちに「おかしいなぁ」と気づいたら、必ず薪ストーブ屋さんに相談しましょう。
毎年必ず、煙突掃除を気にかけて
煙突掃除は、薪ストーブ屋さんか専門業者に依頼するのが安心・安全ですが、自分でできる場合もあります。煙突掃除用のブラシやキットも普通に販売されてますので、自宅にある薪ストーブや煙突に合ったものを準備して使ってください。ただし、屋根の上に登って行ういわば高所作業となりますので、安全には十分気をつけて行ってくださいね。
稀なケースとして、詰まっている部分が煙突だけではない場合もあります。あるオーナーさん宅では、詰まっていたのは煙突ではなく、煙突のてっぺんの「鳥除け」だったとか。煙突のてっぺんに付属している円柱形の格子状のカバーのようなもので、煙突から鳥さんが間違って入ってしまわないように防ぐものなのですが、この格子が見えなくなるくらいびっしりススがまとわりついてしまったそうです。鳥除けは、取ってしまっても煙突の機能的には問題ないですが、使っている最中にもしも・・・いや、やめておきましょう。
最後に・・・薪ストーブは、正しく使用することで、ものすごく長持ちます。シーズン前には「よろしくね」と、シーズン後には「おつかれさま」と、メンテナンスもしてあげてくださいね。