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コロナ禍を経て移住を今改めて考える〜軽井沢・御代田エリアの土地選びの秘訣〜

暮らしのこと
2024.3.1
2024.3.1

コロナ禍を経て首都圏から移住者の増加が目立つ軽井沢・御代田エリア。これまでも移住する流れはありましたが、より活発になってきた印象です。そこでコロナ前と比べて土地の選び方や暮らし方にどんな変化があったのか?

今回はこれからの軽井沢・御代田エリアの土地探しのポイントを改めて整理すべく、20年以上軽井沢の不動産業界で働かれている佐藤不動産株式会社、代表取締役の佐藤健志さんにインタビューしました。


プロフィール
佐藤 健志

東京都出身。佐藤不動産株式会社 代表取締役。小学生時代に長野県に引越し、新卒で軽井沢のホテルでレストランサービスマンとして働いた後、軽井沢の不動産会社にて営業として働く。軽井沢の別荘、土地取引を中心に累計200件以上の不動産取引を担当している。2021年3月に独立。


■ コロナで移住がブームに。軽井沢+隣の御代田町も候補で検討するのが当たり前に

― 2020年からのコロナ禍を経て、軽井沢では移住ブームが起きているような印象を受けます。実際のところはいかがですか?

佐藤さん:確かにコロナ以後ここ数年、移住希望者の物件の問い合わせは増えました。軽井沢移住自体は、コロナ前も流れはありましたが、コロナ禍を経て一気にブーム化した、という印象です。これまでは避暑の為の別荘やリタイア後にゆっくり暮らす住処が一般的でした。

しかし今は「子育てをしながらこれから暮らしをつくっていく」という若い夫婦の方々の問い合わせが増え、お客様の層がガラッと変わってきたことに驚いています。

また軽井沢の隣、御代田町も候補に入れるケースも当たり前になってきました。御代田町は、軽井沢ほど別荘地としてのブランドこそありませんが、その分価格も手頃で、実際の環境も軽井沢とほとんど変わりません。

物件を見てから購入するまでのスピードもかなり早いですね。どんどん成約していくため、どのエリアでも土地価格の底上げが起こっています。


■ 暮らす場所は自由に選択していい。そんな価値観がコロナを経てより定着するかも

― なるほど。ちなみに移住がブームになった大きな理由はどこにあるのでしょうか?

佐藤さん:ブームとなった理由は2つあると思います。ひとつは、30〜40代という人生の早いタイミングでの移住ということ。まだまだお子さんも小さいため、これから暮らしをつくっていく、とフットワーク軽く前向きに決断できるからではないでしょうか。

特に首都圏に住んでいる方であれば、そこが地元ではないケースも多く、地元で長く暮らしていた方に比べると今住んでいる場所に対するこだわりはそこまで強くありません。

リタイア後の移住は長年住み慣れた家からの移動になりますが、そういったこともありません。

二つ目の理由は、リモートワークが可能になったこと。

今回のコロナでは、一度目の緊急事態宣言が出た際、GWなのに旧軽井沢には人の姿もなく、不動産取引も様子見する方が増え下火でした。一方、リモートワークや在宅勤務など、働く場所の多様性が社会全体に急速に浸透した時期でもありました。

「通勤が不要なら住む場所は東京じゃなくてもいいよね」という方が増え、「リモートワークをしながら、自然の多い場所で子育てをしたい」といったような、これまでの暮らしの在り方を見直す方が増え移住の加速しました。

特に軽井沢は、新幹線を利用すれば首都圏まで1時間強でアクセスできることもあり、これまでの会社で働きながら、暮らしの選択肢の方を増やすことができました。

お部屋の使い方も少しずつ変化し、建築の際にリモートワークの快適性を考え、寝室とは別に書斎や小さな作業スペースを希望するケースが増えています。

現在はそんなブームも少しずつ落ち着き始めていますが、今回の出来事は、移住希望者の背中を押すきっかけになったのは間違いありません。

暮らしたい場所は自分で選ぶことができる。そんな価値観がより定着するのではないでしょうか。

移住者の先輩が増えれば、現地の生の情報もたくさん得られます。新しいコミュニティも生まれ、新しい土地での生活の不安もかなり解消されますしね。


■ 自分の中で70〜75点を超えたら購入する決断を。事前にやっておく準備とは

― コロナ禍を経て物件の動きが活発になったということは、ようやく気に入った土地を見つけてもすぐに買われてしまう、ということでしょうか?

佐藤さん:そうですね。私が不動産屋だから言う訳ではありませんが(笑)その通りです。

本当はじっくり選んでいただきたいところですが、コロナ禍以降の今はそうも言っていられません。不動産の動き活発なので、買われてしまわないためにも、自分の中で70〜75点くらいであれば決断する勇気も必要です。

スピード感を持ちながらしっかり決断できるよう、希望条件は、具体的に整理しておくといいでしょう。

銀行へも早めに相談し資金計画を立てておくことで、購入できる価格の範囲が分かりより具体的に絞られていきますよね。

点数をつけていくには、自分ではどうにもできないところと、どうにかできる部分、その二つに分けて考えると整理しやすいのではないでしょうか。私も実際に軽井沢で家を建てたときにやってみたことです。

「道が狭い」といった道路状況や、周辺の雰囲気などは、なかなか変えることはできません。しかし自分の土地は家の建て方や造園でかなり調整が利きます。

希望の工務店やハウスメーカーが決まっているようでしたら、担当の方と一緒に土地を見ておくのがオススメです。理想の家の形がある程度見えているのであれば、早めにプロの目で見てもらいましょう。

家を建てるには伐採や抜根といった造成工事が必要だったり、傾斜地で基礎工事が大掛かりになる、新たに水道を引かなければいけない、というのはよくあるケースです。それによって追加予算が発生することが事前に分かっていれば資金計画も立てやすくなります。

事前にお客様側で準備することが増えてしまいましたが、今は動きを早くするためにも大切なポイントになってきます。

ちなみに、100点でなくても決断するべきとお伝えしたのは理由があります。

じっくり腰を据えて探すことも大切ではありますが、購入自体ができなくなるとそこで暮らすはずだった時間もどんどん後ろ倒しになっていきます。本来ならすぐに住めたはずが、2年3年と後ろ倒しになるのはもったいなと感じます。

どんなにベストな土地が見つかっても、残り50%は建物次第です。毎日の帰りが楽しみになるような納得のいく気に入った家が完成すれば、最初の頃にこだわっていた土地の欠点や癖などは気にならなくなっていくものです。


■ まずは現地に足を運ぶ。そして信頼できる不動産屋を見つけること

― ちなみに、まだまだ土地勘のない段階では、どのような点に気をつけて調べ始めたらいいでしょうか?

佐藤さん:今ではスマホやPCで欲しい時にいつでも情報を調べられるようになりました。ただインターネットやSNS上には、一次情報だけでなく体験者のレビュー、また、そのまた聞きのような憶測の情報も紛れてますよね。

特に車の交通量や、浅間山の噴火の可能性などは、感覚的だったり不確定要素が多く、「多い」「少ない」「高い」「安い」などの言葉だけで判断するのはもったいないと思います。

大切なのは、1年を通して自分自身が問題なく暮らせるかどうかです。現地に足を運んで情報を集めた上で「大丈夫」と判断したらそれでいいのです。

よく「定住向きのエリアはどこですか?」とよく質問をされますが、別荘にはここ、定住にはここ、といったように、ひとくくりで答えられるものではありません。

買い物に便利だったり病院が近い、といったポイントは確かに大事です。ですが都内と変わらずバスや電車といった公共交通だけで生活するできるごく限られたエリアだけ。まだまだ車社会なのが現状です。

逆に言えば、これまで車移動が当たり前で、老後もしばらくは運転の心配がなければどのエリアでも大丈夫です。

また、真冬は−10℃を下回ることもある軽井沢ですが、もう寒いのは覚悟しましょう(笑)家の断熱をしっかりする、移住後は薪ストーブのある生活を実践してみる。そんな風に冬の暮らしを楽しめる方であれば大丈夫です!

― 最後に軽井沢の不動産屋さんもたくさんある中で、信頼できるパートナーを選ぶ際のポイントがあれば教えてください。

佐藤さん:不動産取引に限らず、相手が信頼できるかどうかといった点は決め手になりますよね。初対面の相手を信頼するためには、相手が正しい情報をきちんと伝えてくれているかということもポイントになります。

不動産情報の場合は、物件情報が丁寧に作られているかが判断のひとつになると思います。現地写真など資料請求をした場合すぐに送ってくれるなど親切に対応してくれるなど。

また、担当者との相性も重要な判断ポイントのひとつです。コンスタントなやりとりで、タイムリーに返信が来るか、会話の中での感覚に通ずるものがある、といったこともパートナー選びの際には大切なのではないかと思います。

― 軽井沢・御代田エリアの土地選びのコツはコロナ禍を経てガラッと変わったのかもしれません。移住がブームになり、物件購入が活発になった中で即決する勇気も時には必要です。これまでそのための動き方や土地を見極めるポイントをお話しいただきました。佐藤さん、本日はありがとうございました!

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