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「ローカル/都会」2つの顔を持つ佐久市 – 手厚い支援で移住者が年々増加中

まちの情報
2024.9.30
2024.9.30

都会で仕事をしながら、暮らしの場所は自由に選ぶ。リモートワークと新幹線通勤の普及によってそんなライフスタイルが一般的になってきました。そんな中、軽井沢・御代田エリアのお隣である佐久市が、暮らしの選択肢の多様さと独自の移住支援で年々魅力的な移住先となってきています。

今回はそんな佐久市の現在をご紹介します。北陸新幹線の走るJR「佐久平駅」は、東京からわずか1時間10分。その好立地で、軽井沢同様十分2拠点生活が可能なことに加え、佐久市の魅力は、「2つの顔」にあります。一方では都会的な利便性を、もう一方では豊かな自然環境を活かした地域に根ざした暮らしを。この独特な二面性が、移住者たちを惹きつける大きな要因となっています。


「新幹線通勤補助金2万円/月」と「移住検討者滞在費補助金制度」

都会的な側面から見ると、佐久市はかなり充実しています。平成17年に旧佐久市、臼田町、浅科村、望月町の4市町村が合併して誕生して以来、駅前を中心に再開発が進み、生活インフラの整備が急速に進んでいます。


(出典:https://openphoto.app/c/sakuphoto3313/photo/24594?)

大型ショッピングモールやホームセンター、ディスカウントストアなどの進出により、日常の買い物が非常に便利になりました。また、佐久医療センターをはじめとする充実した医療施設の存在も、地域の中心的な役割を担っています。最近では教育機関も充実しており、子育て世代にとっても魅力的な環境が整っています。こうした発展により、佐久市は軽井沢町や御代田町に住む人々にとっても、生活する上で欠かせない重要な地域となっています。

一方で、佐久市のローカルな魅力も健在です。佐久地域には、昔から暮らしをベースとしたコミュニティが広がっています。駅前の再開発エリアから少し足を延ばせば、自給自足を楽しんだり、独自の暮らしを作り上げていく楽しみも味わえます。

例えば、臼田地区は美しい棚田で知られ、のどかな田園風景が広がります。野沢・中込地区は佐久市の中心市街地で、歴史的な街並みと現代的な施設が共存しています。望月・浅科地区まで足をのばせば、豊かな自然に囲まれた静かな農村地帯が広がっています。

施策の一つとして、望月地区にある「佐久クラインガルデン望月」があります。これは、ドイツの「クラインガルテン(小さな庭)」をモデルにした滞在型市民農園です。この施策の背景には、都市生活から農村暮らしへの関心の高まりと、農村地域の活性化という双方のニーズがあります。1年間という長期滞在を可能にすることで、季節ごとの農作業や地域の行事を体験できる点が大きな特徴です。これにより、移住検討者は佐久市での生活を深く理解し、地域コミュニティとの繋がりを築くことができます。


「新幹線通勤補助金2万円/月」と「移住検討者滞在費補助金制度」

そして、この魅力をさらに引き立てているのが、充実した移住支援策です。佐久市は、この流れを加速させるべく、魅力的な補助制度を次々と打ち出しています。

例えば、佐久市は住民票を移すことを条件に、首都圏との往復新幹線代を月額2万円まで補助する制度を導入しました。これにより、リモートワークと出社を併用する人々の経済的負担が大幅に軽減されます。さらに、佐久市の支援は多岐にわたります。移住検討者滞在費補助金制度では、宿泊費や交通費の補助に加え、移住に伴う引越費用や住宅購入・改修費用の補助も行っています。

また、「リモート市役所」というユニークな取り組みも注目を集めています。これは、コロナ禍における行動自粛の影響で移住希望者が佐久市を直接訪れることが難しくなったことを受け、移住検討者が現地に足を運ばずに佐久市の魅力やリアルな情報を伝える方法として開始されたサービスです。


(出典:https://www.city.saku.nagano.jp/outside/citypromotion/salon/)

ビジネスチャットツール「Slack」を用いた日本初の行政主導オンラインサロンで、テーマごとにチャンネルが用意されています。子育てや移住に関する質問をチャット形式で気軽に行うことができ、移住希望者、既に移住した方、佐久市民、さらには取り組みに興味を持つさまざまな人々が、移住検討者の幅広い疑問に回答しています。

この「リモート市役所」の利用者からの要望に応じて生まれたサービス『Shijuly(シジュリー)』も見逃せません。これは、佐久市での「お試し移住(試住)」をする際に、情報が集約されたものが欲しいという声に応えています。


(出典:https://www.city.saku.nagano.jp/outside/citypromotion/shijuly/)

Shijulyは、佐久市の4つのエリア(佐久平・岩村田・東/中込・野沢/臼田/望月・浅科)ごとに、ホテルや旅館など試住できる施設や、子供を預けられる施設、シェアオフィスの情報などを提供しています。また、「佐久市移住検討者滞在費補助金」の申し込みも行うことが可能です。


このような充実した支援策と、都会と自然が共存する環境が、リモートワークの浸透と相まって、佐久市への移住を促進しています。二地域居住は、都市部と地方に拠点を持ち、両方で生活する新しいライフスタイルです。

都会の利便性と地方の豊かな自然を同時に楽しめる点が大きな魅力であり、リモートワークの活用によって、仕事と暮らしのバランスを柔軟に調整でき、夏は避暑地で、冬は都心でといった季節に応じた居住地選択も可能になります。

さらに、ストレス軽減や健康増進といった個人的なメリットだけでなく、新たな人間関係の構築や地域とのつながりを深められる社会的な利点もあります。地方の空き家問題解決に貢献し、多様な経験を通じて自己成長の機会も得られ、また、災害時のリスク分散としても有効です。

佐久市の先進的な取り組みは、新しい働き方と暮らし方の可能性を広げ、地方創生の新たなモデルとなる可能性を秘めています。長野県内でも、二地域居住への先進的な取り組みを実践している佐久市は、働き方や教育など、新しい取り組みも進んでおり、今後ますます注目を集めることは間違いありません。

都会の利便性と自然豊かな環境を両立させる新しい生活スタイルが、ここ佐久市で実現可能になりつつあります。「ローカル」と「都会」、二つの顔を持つ佐久市は、これからの日本の地方都市の在り方を示す先駆的な存在となるかもしれません。

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